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歓楽のハレム

「勇者の冒険(エピローグ編)」

 


第3章 −大陸最大の巨大商業都市の場合−


(何と言うか・・・、恥ずかしいなあ・・・)

勇者は引きつった笑みを浮かべながら、軽く手を振った。すると、大きな歓声が上がる。
声を上げたのは、通りの両端にぎっしりと集まった街の一般市民たちだった。いや、通りに面した建物の窓や屋上からも人々が歓声を上げ、手を振っていた。
そして、人々に囲まれた通りの真ん中を、楽隊に続いて巨大な山車が数頭の馬に引かれて進んでいる。で、当の勇者はというと、その山車のてっぺんに付けられた豪華な椅子に座っていた。先ほどからこの椅子に座って、街中を延々と練り歩いているのだった。
しかし、もう随分この行進は続けられている筈なのだが、最初から全く人ごみがなくなる気配もなく、また同じ所を周っているわけでもないらしい。いかにこの街の規模が大きいか、また沢山の人が住み、訪れるのかを物語っていた。

さかのぼる事1日。

勇者は、知りうる限り大陸でも最大の商業都市「ル・デタ」に向かって旅を進めていた。ここは海に流れ込む巨大な大河の三角州に位置しており、しかも丁度大陸の南北の真ん中あたりで大きな街道が幾つも重なっているという絶好の位置にあり、昔から交易と商業が盛んだった。そしてどんどん街も発展・巨大化して、現在ではまさに世界一の商業都市といっても過言のない規模になっている。
勇者は道すがら、故郷の人々、特に両親に何か土産の一つでも持って帰ろうか、と思いついた。そして、どうせなら珍しいものがいいと考えて、わざわざ目的の街道を外してル・デタに行く事にしたのだ。ここなら他では手に入らないような価値のあるものも色々売っていたりするからだ。

(うーん、このままなら着くのは明日の昼過ぎって所かなあ・・・?)

勇者は、そろそろ辺りが暗くなり始めそうになったのを感じて、残りの行程からそう推測した。馬であれば急げば真っ暗になる前にル・デタまで辿り着けそうなのだが、徒歩ではそこまで行けない。確か、もうしばらく歩くと小さな村があったはずなので、今日はそこで宿を取ろうと勇者は考えた。

「・・・?・・・あの馬車、なんでこんな時間に・・・?」

その時、勇者は前方から向かってくる1台の荷馬車の存在に気付き、小さな疑問を口ずさんだ。もちろん、この街道は普段からよく色んな旅人や行商人も通っており、すれ違ったりする事もよくある。
だが、今は時間的におかしいのではないか、と勇者は思っていた。馬車でこの時間にここにいるということは、かなり遅い時間にル・デタを出た事になる。普通なら朝に出発するのが当然だろう。それに、この方向にある大きな街の位置からしても、もっと早く出た方がいいのに決まっている。
わずかな疑問が浮かんでいる間に、馬車との距離は近づいてきた。そして、馬車とすれ違いになる時に、

「どうも、お疲れ様です」

と馬車の御者台にいた商人が声をかけてきたのだ。勇者も馬車に近づいて挨拶を交わす。

「そちらこそ。でも、こんな遅くに出発ですか?」

「ええ、実は・・・」

そう言って、彼はいきなり声を潜めてしまった。勇者も反射的に彼に近づいて、その話を聞き取ろうとする。

「○×△・・・・」

「なっ!?それ・・・は・・・」

しかし、商人の言った言葉は一般的な共通語でもこの辺りの方言でもなく、それどころか現在用いられているどの言語でもなかった。それは、魔法を使う時の呪文に使う古代の言語だったのだ。そして、勇者は以前仲間の魔法使いがよくその呪文を使っていた事を覚えていた。彼はその呪文により、戦わずして敵を無力化していたのだった。
勇者は必死で呪文に抵抗しようとした。が、勇者は膝を落とし、その場に倒れてしまった。強力な意志の力により、彼の意識は暗転していく。
そして、勇者は静かな呼気を発しながら、街道の真ん中で横になり眠ってしまった。そう、それは強力な眠りをもたらす呪文だったのだ・・・。

そして、勇者が次に目覚めたのはこの街で最高級の宿屋の特別室だった。そう、あの自分を眠らせた商人は、この街に自分を来させる為に雇われて変装した魔法使いだったのだ。

(しかし・・・そこまでするかなあ・・・)

自分は人々の歓声に応えながら、最初にその事を聞かされた時と同じ事を思っていた。
確かにこの旅の途中、自分は全ての村や町を廻っていた訳ではない。特に立ち寄る理由がなければ、もしかしたらここを素通りしていた可能性もある。
だからといって、下手をすれば拉致ともいえるこの行動に、自分は少々呆れてしまっていた。
だが、こうして街中の人々に歓声を受けているうちに、勇者は「まあ、いいか」というように思い直し始めていた。何だかんだいっても、自分が望んでいたのはこうして人々が明るく笑顔で暮らしていける世界だったのだから、別に文句が有るわけでもないし。

「うおーーー!!ゆ・う・しゃ、さまーーーー!!!」

「きゃー!!素敵ーーー!!勇者様ーー!!」

(まあ、ちょっと大騒ぎし過ぎかなあ・・・?)

勇者は心の中で苦笑しながらも、今度は本当に心からの笑顔で手を振って応えていた。


「しっかし、今日は一日中大騒ぎだったなあ・・・」

 勇者はそう呟きながら、席に背中を持たれ掛けさせた。程よい硬さの背もたれの感触、そして身体全体への僅かな揺れ。
 勇者は、馬車の客席に座っていた。街の中を移動する為だけに、わざわざ商人たちが用意したのだ。断るのももったいなかったので、勇者は仕方なく乗せてもらっていた。
 結局今日は、日中の間はずっとお祭り騒ぎの中、パレ一ドを続けていた。歓声に応えてずっと手を振り続けていた勇者は、最後にはすっかり手が痺れて上がらなくなっていた。

 そして、夕方になると今度は街全体が宴会場へと変貌した。全ての酒場が開放され、誰もが無料で飲み放題になったのだ。通りのあちこちで酔っ払い達が大騒ぎしていた。
 勇者はというと、一番大きな商人の屋敷に招待され、もはや乱痴気騒ぎといってもいい大宴会に参加させられていたのだ。大道芸や楽隊が次々に歌や芸を見せ、大量の料理や酒が振舞われた。そのどれもが、勇者の金銭感覚からしても目の飛び出そうな値段だという.。
 飲み過ぎで気持ちが悪くなると、何やら飲み薬のような物が渡された.。飲むとたちどころに回復したその薬は、勇者も名前だけは知っていた、万病に効くという希少な物だった。

 そして、大量に飲んでは回復して、歌い騒ぐといった状況が夜中まで延々と続き、つい先ほどようやく会場から脱出できたのだ。

「もう当分お酒はいいや・・・」

 勇者は、さっきまでの狂宴ともいえる宴会を思い出してしまった。高価な薬のおかげで肉体的にはすっかり回復しているはずなのだが、どうしてもあの状況を思い浮かべると口の中にこみ上げてくる物を感じずにはいられない。
 勇者は気持ち悪くなりそうな気分を抑えるために、何か他の事を考えて紛らわせようとした。

「そういえば、何で商人の人達は一緒に馬車に乗らなかったんだろう・・・?」

 そう、今この馬車の中に乗っているのは勇者1人だけだったのだ。あと、御者台に御者が居る事は居るのだが、決して狭くは無い馬車の中は、勇者が手足を伸ばしても十分に余裕があるほどだった。
 最初商人たちは、「あの」大騒ぎの最中に、

「勇者さま、ここの宴会はまだまだ続きますがもっと落ち着いた会場を、まあ『2次会』として私たち数人で落ち着いて飲もうと、ご用意させて頂いたのですが・・・」

と声をかけてきた。疲れていた勇者はもちろんその申し出を受ける事にしたのだが、しかし、移動の馬車が一台だけだったのに「自分達は別の馬車で行きます」と言い出したのだ。

(まあ、気を使ったんだろうと思うんだけど・・・、よく分からないなあ・・・)

 そう思いながら何となく馬車の走る音を聞いていると、勇者は妙に長く移動しているような気がした。結構、街の外れの方なのだろうか。心配した勇者は、馬車の前の方にある窓を開けて、御者に行き先を聞いてみることにした。
窓の外は暗い通りのようだった。わずかな明かりの中、馬車は進んでいる。御者席には頭からすっぽりとフードをかぶった男が座っていて、その顔を窺う事はできなかった。

「あのー、この馬車ってどこに行くんですか?あとどれくらいかかるのか・・・」

「○×△・・・・」

勇者が御者にそう声をかけようとしたとき、御者は何か小声でつぶやきながらゆっくりとこちらの方を振り向いた。その聞き覚えのある声に勇者は思わず声をあげる。

「あ、あんたは!?・・・ま・・・さか・・・・」

勇者はそう言いながら、馬車の中で崩れ落ちていく。急速に身体の力が抜けて、意識がなくなっていった。そして、それを窓から覗き込む御者の男。

「勇者さま、またしても失礼しますねえ・・・」

そう、それはあの行商人のフリをして勇者を眠らせた魔法使いだった。勇者は不覚にもまた同じ眠りの呪文に倒れてしまったのだった。

勇者を眠りから覚醒させたのは強い光だった。彼は、仰向けに横たわった状態で天から照射される光に照らされていた。

「うう・・・。ん、ここは・・・?」

勇者は思わず、手をかざしてその光から目を遮った。そうして、ゆっくりと上体を起こす。

勇者の格好はあの馬車で眠らされた状態のままの、鎧などの装備を外した普段着の格好だった。特に身に付けていた物などで変わった所はない。強いて言えば、ブーツが脱がされているくらいだろう。

勇者が横たわっていたのは適度な弾力のある、高級そうな布地が敷かれた平らな場所だった。光の届く範囲はすべて同じような状態になっている。
真上から降っているその光は、丁度勇者の居る範囲だけを照らしていた。その外側はインクを流したように真っ暗になっていて、全く様子を窺い知る事は出来ない。
しかし勇者には、その暗闇の中に何かの存在が居る事が感じ取れていた。幾多もの戦いを潜り抜けてきた者が感じれる「気配」のようなものだろうか。もっとも、その「気配」にはこれまで戦ってきた魔王の手の者のような「悪意」を感じなかったので、勇者も特に身構えたりするような事は無かった。

その時、遠くの方から誰かの声が聞こえた。

「勇者殿、目を覚まされましたかー!?」

その声は勇者の周囲の暗闇に響き渡っていった。音の響き方から、勇者はここが大きな建物の内部である事を悟った。そして、勇者はその声の主に心当たりがあった。

「確か、商業組合のとこの人ですよね?これは一体どういうこと・・・」

「いやー、申し訳ありませんなー。どうしても勇者殿にここに来て頂きたく思いましてな、こんな方法を取ったのです」

「いや、昨日もやられましたし、もう慣れましたよ・・・」

そういって、勇者は苦笑した。街に入った時の事から、ここの商人達の強引な進め方はわかっていた。元々が好意でやっている事だし、言っても聞いてくれそうもないから、勇者は半ばあきらめつつ、今の状況だけでも、と聞いてみる。

「それにしても、ここは一体どこなんです?随分広い場所みたいですけど・・・」

「それはもちろん、先ほど言っていた『2次会』の会場に決まっておるではないですか」

「実は勇者殿が来ると聞いてから、ずっと準備をしておったんです。・・・よーし、照明をつけてくれ!!」

その声が響き渡った瞬間、今まで自分の周囲のごく狭い範囲だけを照らしていた光が、一気に広がっていった。そしてそこに広がる光景に、勇者は思わず固まってしまった。

「なっ!?・・・」

そこは巨大なドーム状の空間だった。自分の位置辺りを中心をした、円形の空間が広がっている。
勇者はぱっと見た瞬間、以前にこの場所に来た事があったことを思い出した。ここは、おそらく闘技賭博を行っている会場だ。勇者自身、ここで1度だけモンスターと戦った事がある。その時は賞品として、旅にどうしても必要な貴重な道具が出されていたので、止むを得ず出場したのだ。

しかし今は、その時のような殺伐とした雰囲気は微塵も感じなかった。多くの血を吸っただろう地面には一面に柔らかい絨毯が敷き詰められ、辺りには香を炊いたような不思議な匂いが漂っている。
そして、闘技場全体の半分以上を占める、とんでもない大きさの寝台が中央に設置され、勇者はその中心に立っていた。寝台の周りには、たくさんの普通の大きさの寝台やテーブルのようなものが並べられていた。

しかし、場所よりも寝台よりも何より勇者を驚かせ、そして固まらせたのは、

「「「勇者様ーーー!!!!」」」

闘技場の観客席から黄色い声を上げる、大勢の若い女性達だった。その身には下着の類くらいしか纏っておらず、勇者の目から見ると観客席が肌色に染まっているようにも見える。それが360度全ての方向の観客席を埋めていたのだ。

「いやー、近隣の村や街に張り紙をして募集しておったんですわ!『勇者様来たる!大乱交歓迎会・参加女性募集』と書いて・・・」

「な、な、な・・・」

「最初は数十人くらい集まるかな〜と思っとったんですが、申し込みが400を超えたもんでさすがに困りましてなー・・・」

「あうあうあう・・・」

「急遽この闘技場を改装して、この『大乱交用特製ベッド』を作ったんですよ。いや、大変でしたわ、ハッハッハ・・・」

「・・・(最早言葉もない)」

「まあ勇者殿はそんな事は気にされずに、思う存分、楽しんでくだされ!一晩中、いや、一日中、いやいや、2、3日かけて貰っても構いやしませんぞー!」

「・・・それじゃあ、そろそろ始めるとしましょうか!では、開門ー!!」

その言葉を合図に場内の四方にある、観客席と闘技場の間の塀につけられた門がゆっくりと開いていった。そして開いた扉のすき間から、半裸の女性達が我先にと飛び出して駆け出してくる。
彼女達はその丸出しになった肉体を弾ませて、押し寄せる津波のような勢いで四方から迫ってきた。そして足の速い何人かの娘たちが、巨大なベッドの上に上がるとダッシュして一気に飛びついて来た。

「ゆ・う・しゃ・さ・まーーーー!!!」

勇者は何人もの女性達の勢いを受け止め・・・る事もできず、ベッドの上に薙ぎ倒されてしまった。押し倒した女性達が全身に絡み付き、さらに何十人もの女性達によって勇者はその全身を覆い隠されてしまう。
女性達によって剥ぎ取られるように脱がされた、勇者の衣服が放り投げられて宙を舞う。それと共に大勢の女性達の発する艶声が、闘技場内に響き始めた・・・。


・・・数刻後。

闘技場の観客席の一角に設けられている貴賓室では、数人の男性が豪華なソファに座りながら、悠然と酒盃を傾けていた。彼らは和やかに歓談しながら、時々場内を見渡せる大きな窓の方を見ていた。

「しかし、今回の、『勇者様歓迎記念セール』は、大成功、でしたなあ・・・」

「ええ、うちも、売上げ倍増で、笑いが、止まりませんわ。ハッハッハッ・・・」

「予算オーバーで、正直心配してましたが、それを余りある結果が・・・ウッ、イ・・ク・・・」

話していた男達の一人が、突然小さくうめいて身体を震わせた。

「おや、ヒルマン殿、早いですなあ。お若くて羨ましい事だ、ハッハッ・・・」

その言葉に、男たちは楽しげに笑い合った。よく見ると彼らは皆下半身には何も身に付けてはおらず、そしてその剥き出しの下半身にはそれぞれ女性が取り付いてその股間に頭を埋めていた。そして、ヒルマンと呼ばれた男についていた女性が頭を離し、ゆっくりとその口を開いた。そこから、ゴポッと白く濁った粘液が溢れ出す。

「フウ・・・。・・・いや、勇者殿の発奮ぶりに思わず・・・、いや、お恥ずかしい・・・」

「いやいや、それは、無理も無い。さすがは勇者殿、『英雄色を・・・』という奴、でしょう」

その言葉にその場に居る男たち・・・街の豪商たちは皆苦笑した。そして彼らは、また闘技場内の方に視線を向けた。

・・・そんな商人達の視線を受けながら、勇者は懸命に腰を振り続けていた。

パン!パン!パン!パン!・・・

「フンッ!フッ!ンッ!・・・」

「アッ!!アンッ!ハアッ!勇者、さまあッ!!・・・」

あの巨大な寝台の中央で、勇者は1人の女性を組み伏せていた。彼女の両足を抱え上げ自らの肩の上に担ぐ、所謂屈曲位という体勢で大きく腰を振って肉棒を突き入れていた。挿入されている娘は勇者の激しい抽送に、もう絶頂寸前と言った様子だ。
しかし、実は彼女より厳しい状況に居るのは勇者の方だった。勇者一人の肉棒を受け入れている娘に対して、勇者は10人以上の女性の責めを受けているからだった。
勇者の周りにはその全身を覆い隠すほどの女性がいて、彼女たちはそれぞれ分かれて勇者の身体中を愛撫していたのだ。両手両足を全て別々の女性が持って、咥えこんだり胸で挟み込んだりする。4人の女性が横について首筋や背中に舌を這わせ、さらには尻に手を入れアナルや袋の方まで刺激してくる。そして前から3人の女性が、顔中にキスの雨を降らせている。勇者はこれらの責めと肉棒への快感とに耐えていたのだった。
しかし、とうに限界ギリギリだったため、程なく絶頂に達する。

「アアアーーーーッ!!」

「ウ・・・ハアアッ!・・・」

ビュプッ、ビュクッ、ビュクッ、ドクッ・・・

一番奥まで肉棒を突き入れて腰を止め、身体を震えさせながらたっぷりと精子を注ぎ込んでいく。完全に射精の律動が止まるまで待ってから、ゆっくりと肉棒を引き抜いていった。秘裂から大量の精子が溢れ出してくる。

ゴプッ、ブプッ・・・

「ハアアッ、ハアアッ・・・」

勇者は身体を起こし、膝立ちの状態で呼吸を整えようとしていた。しかし、

「勇者さま、次は私に・・・」

「いやん、次は私よ・・・」

すぐに何人もの女性たちが取り囲んで絡みつき、次は自分にと求めてくる。
それに応えて、勇者は女性たちの内の一人を組み伏せると、その秘裂に放出を終えてなお治まらない肉棒の先端を押し当て、腰を突き入れた。

ズブブブッ!!

「八アアッ!!」

「ンンウッ!」

そして、再び動き出した勇者の周りを大勢の女性が囲み、その姿を覆い隠してしまい、先ほどまでの宴が再開された・・・。

・・・・・・・

・・・・・・さらに数刻後。

「・・・・・」

ある小さな部屋で、一人の男がじっと何かを見つめていた。
この部屋は、闘技場を円形に囲う客席のさらに上に位置しており、大きな窓があって場内全体を見渡す事ができる。男は、その窓から場内を見ていたのだ。

「・・・・・」

いや、正確には男は場内ではなく、自らの目の前に置かれた箱のようなものを見ていた。これは「記録の箱」と呼ばれる魔法の宝物であり、特妹な結晶に映像や音声を記録し、後で好きな時に見る事ができるという品である。本来は、王家や高名な賢者しか所持していないような、貴重な宝物だった。

「・・・・・」

男は、ただ場内を記録し続けている。と、部屋の隅にあった扉が開き、一人の男が入ってきた。それに気付いた記録をしていた男は、何か箱を操作すると大きく伸びをした。

「ウ、ウ一ン・・・・。やっと交代かあ・・・」

「お疲れさん。ほれ」

入ってきた男は、手に持っていた手盃を渡した。薄めた果汁が入っているそれを、受け取った男は美味そうに飲む。

「ゴクッ、ゴクッ、・・・プハアッ・・・。・・・しかし、思ってた以上にきついなあ・・・」

「ああ、一時雇いだとしてもいい金払いだし、ただ箱構えるだけで楽だと思ってたんだけどなあ・・・」

「退屈だし寝られないし、たまんねえよ全く・・・」

「勇者サマの様子は、どんな感じだ?」

入ってきた男がそう言って、窓の方に視線をやる。

「どんなもこんなもねえよ、相変わらずだ・・・。最初の内は目え離せなかったけど、もういい加減飽きちまったよ・・・」

そう言うと、2人の男は並んで窓から場内を眺めていた。


・・・そうして一部始終を記緑に撮られながら、勇者はいまだに淫らな宴を続けていた。

パン、パン、パン、パン・・・

「アンッ、ハアッ、アアッ・・・」

「41、42、43、・・・、50!・・・つ、次・・・」

勇者はそう言うと、肉棒を秘裂から引き抜こうとした。四つんばいになって後ろからソレを受け入れていた女性は「あん・・・」と名残惜しそうに尻を振る。膣肉が離さぬように吸い付いて抵抗するのを振り切り、亀頭まで引き抜いた。
今勇者は超巨大ベッドの傍らに立って、ベッドの縁で四つんばいでこちらに尻を向けている女性に後ろから挿入していた。丁度高さが合うので、立ったそのままの状態で交わる事ができるのだ。
四つんばいになっているのは彼女ひとりではなかった。彼女の右隣にも左隣にも、同じように四つんばいになった女性達が尻を突き出して並んでいる。ベッドの縁に沿って尻の列がずっと続き、あの巨大なベッドをぐるりと一周しているのだ。
きっかけはある女性の一言だった。さきほどまで勇者は、求めてくる女性の誘いに応じて適当に交わっていた。しかし、どうも相手が一部の女性に偏っていたらしく、「自分は抱いてもらってない。不公平です」と不満を言う女性が出始めた。その時、

「じゃあ全員並んで、順番に入れてもらいましょうよ」

と声が上がったのだ。
こうして、勇者はここにいる全員と交わる事になってしまった。公平に一人当たり50突きで交代すると決め、女性達は喜んでこの「尻の円陣」を作った。しかし、全員がベッドの縁には並びきれず、半分以上は巨大べッドの内側やで自らを慰めながら待っている。勇者と交わった女性は列から外に出るので、そこに入って尻を出した状態で待っているのだ。今引き抜いた女性も脱力しつつ外に出て、代わりに次の女性が嬉しそうに入って尻を突き出した。
勇者は隣へと移動すると、次の女性の尻肉を両手で掴み、すっかり待ちわびてグショグショになっている秘裂に、肉棒を突き入れた。

ズブブブッ!!

「アアンッ!」

「ウッ!・・・・・1、2、3・・・」

勇者は、もう何十個目かになる膣穴の感触に一瞬うめいたが、すぐにピストン運動を再開した。この状態でもう何度か射精した彼の肉棒は若干硬度を失っていたが、すぐ側に強力な精力剤を持った女性が控えているし、実は先ほどから行列から出た女性達が何人もずっと周りについていて、射精の度に肉棒を萎えさせまいと、勇者を取り囲んで愛撫の雨を降らせてくる。勇者が少し言えば、喜んでそのテクニックを駆使してくれるだろう。
そんな事より、と勇者は腰を振りながら首だけ横を向いた。そこには突き出されたたくさんの尻達が、揺れながら延々と行列をなしている。これほど大勢の女性達が、勇者の肉棒を待ち侘びているのだ。まだまだ宴は終わらなかった・・・。


・・・・・

・・・・・そして、さらに経って。

伝説の勇者の来訪を祝って行なわれた宴は三日三晩続けられ、その間街中のあらゆる場所がお祭騒ぎとなっていた。そして、勇者が街に来てから4日目の早朝。
街は前日までの騒ぎが嘘のように、普段の営みを取り戻そうとしていた。町の至る所に宴の後の多量のゴミなども残っていたし、あちこちに酔っ払いが寝こけていたりもするのだが、徐々に片付けなども始まっている。もう数刻もすれば、またいつもの活気に満ちた町並みが戻ってくるだろう。

そんな街の一角に、各種行事や集会、時には闘技賭博を行なっているホールがある。普段は様々な使用予定が決まっているのだが、勇者来訪の宴以来ここは開かれていない。
と、そのホールの前で、一人の酔っ払いが立て看板に寄りかかって寝ている。その看板には、

「次回の闘技場での試合開催予定は未定。決定次第、追って掲示する」

と、この町の豪商の署名付きでかかれていた。


酔っ払い達が横になって眠りこけている頃、勇者もまたベッドの中央で横になっていた。ただ、酔っ払い達は外で布団もなしに寝ているのに対して、勇者は肉の枕、肉の布団で覆われているのだが。

ジュッブ、ジュップ、ジュップ・・・

「アンッ、アンッ、アンッ・・・」

「ア・・・ア・・・」

勇者は大きく手足を伸ばして、大の字になっていた。腰の上には1人の女性が馬乗りになって、肉棒を咥えこみ大きく上下にストロークしていたが、勇者はあまり大きな反応はしていなかった。手や足にもそれぞれ何人もの女性が取り付いて、舌や胸、秘所などで奉仕していたが、それにも反応はほとんどしていなかった。
もちろん彼女達の奉仕は気持ちよく、その快感は勇者もずっと感じ続けていた。しかし、今の勇者は声を上げたりといった反応も、疲れてできなくなってしまっていたのだ。
その「疲れ」は身体の疲れや性欲に関するものとは関係が無い。今も肉棒は硬くそそり立ち、激しいピストン運動でもう射精してしまいそうになっている。先ほどから飲んでいる高価な薬のお陰だろう。
しかし勇者は、三日以上に渡ってぶっ通しで続いてる乱交で、すっかり「SEX疲れ」になってしまっていたのだ。精神的な疲れに近いので、幾ら薬を飲んだとしてもどうしようもない。
無論、女性たちの方も疲れていない訳が無い。周りにあるたくさんの寝台の上で、何十人もの女性たちが休んでいる。巨大ベッドの端の方にもたくさんの女性たちが、全裸のままで横になって倒れてしまっていた。勇者はこの三日間で、これだけの人数が失神してしまう程交わっていたのだ。
だが、やはり元々の人数があまりにも多かった。今勇者の周りを囲んで奉仕している数十人は、ここまであまり抱いてもらえてなかった女性たちで、3日近くも「お預け」状態だったためか果てしなく貪欲に勇者の身体を求めてくる。その獣欲に、勇者はすっかり飲み込まれてしまっていた。

ズブッ!ズプッ!ズジュッ!!

「アンッ!ハアッ!ハアアンッ!!」

「ア・・・ア、ウッ・・・」

勇者はほんの小さくうめくと、今自分のものを飲み込んでいる女性の膣内に、何の前ぶれも無く射精した。

ドクッ、ドクッ、ドクッ・・・

女性の方は膣内射精されても、何事も無かったように腰を振り続けている。しかし、勇者の肉棒が硬度を失っていくのを感じて理解したのか、残念そうにゆっくりと肉棒を抜いていった。

ヌププ・・・

粘液に塗れ、少し萎えた肉棒が露わになる。と、いきなり何人かの女性が一斉に飛びついてきた。皆勇者の股間に頭を寄せると、肉棒に何枚もの舌を這わせていく。

「勇者さま・・・」

一人の女性がそう言って、勇者を唇を重ねる。そして、勇者の口内に何かを流し込んできた。勇者にはそれが、先ほどから何度か飲んでいる魔法の薬である事が分かっていた。確か瀕死の人間でも復活させる事が出来るほどの薬で、魔王との戦いの折にもこれのお陰で命を救われた経験がある。その値段も効果に見合っただけの、考えたくもない位の高価な代物のはずだ。
薬の効果はすぐに現われた。顔を寄せ舐めしゃぶる女性達の顔を押しのけるようにして、硬くそそり立った肉棒が真上を向いて姿を現す。
すると、いち早く一人の女性が勇者の腰の上に跨り、自らの秘裂に肉棒を宛がったと思うと一気に腰を落として挿入してしまった。そうして先ほどの女性のようにまた大きく上下に動き始める。

ズブッ!ヌプッ!ズジュッ!!

「ハアッ!アンッ!ハアアンッ!!」

「ア・・・ウ・・・」

他の女性たちも、また先ほどのように勇者の全身にとりつき奉仕を始めた。宴は果てし無く続いていく・・・。

(もう・・・限・・・界・・・)

・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・結局、勇者はそれから半日後、女性達の隙をついて闘技場から脱出し、ほとんど裸同然の格好で商業組合の建物に駆け込んだ。そして豪商達に必死で訴えて、何とか乱交の宴を終わらせ逃げるように町を出たのだった・・・。

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