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第九十五日 「定期テスト」(11)

 「あなた…いえ、ご主人様。お話しなければいけないことがあります」
 そのとき、さっきまで僕に膝枕をしていた安奈が、僕の肩に手を添えてきた。
 「あなた」ではなく、「ご主人様」と呼んでいるのは、「新婚ごっこ」プレイから離れて、「後宮学園」の校長と女生徒の関係に戻ったことを意味する。安奈も、そして周囲のみんなも、そろって真剣な表情をしていたので、僕自身も何か重大な話らしいと気付き、背筋を伸ばした。
「ご主人様、まずおわびしなくてはいけません。私たち、ご主人様をだましていたんです」
 安奈が正座して三つ指をつき、深々とお辞儀をした。他のみんなも正座まではしなかったがそろって頭をぺこりと下げた。
「だます、って…」
「“新婚ごっこ”のテストのあいだ、ずっと私たち全員、青リボンと赤リボンを入れ替えていたんです」
「…って、ことは、やっぱり、琴美も、蘭も、本当は危険日だったのか!?」
 僕は愕然とした。そして思い返してみると、安全日の子の率が少ないな、と感じてはいたのだ。するとこのテストのあいだ、安全日だと思って中出しした子は、実は全て危険日だったということになる。
(やば…)
 僕は顔から血の気が引くのを感じた。なんでもやりたい放題のこの学園だが、ほぼ唯一のタブーが、危険日の生徒への中出しなのだ。そのタブーを、僕はいまあっさり破ってしまったことになる。
 琴美と蘭だけではない。テストが始まってから風呂で一人、食堂で三人、そして休憩室で一人に中出ししている。とくに休憩室での中出しは、最初危険日の子に出しそうになって、慌てて安全日の水月に移動して中出ししていた。つまりそれは実はあべこべに安全日の子から危険日の子にわざわざ移って射精したことになる。
 そういえば、あのときは安奈が注意をうながすような声を出したので僕は気づいて移動したのだ。それもまた安奈がわざと僕が危険日の子に中出しするように誘導したということになる。
「…説明してくれ。つまり、君たちは、僕をだまして、わざわざ危険日の子ばかりに射精させたんだな?どうして、そんなことを…」
「だましたことはおわびしますが、これはクラスのみんなで話し合って決めたことなんです」
 安奈は正座して僕と正対し、その美しくきりりと引き締まった顔をまっすぐに僕に向けた。
「テストの課題が、ご主人様と新婚夫婦を演じるものだと分かった時、私たちはこのテストには本気でとりくまないといけない、と考えたんです。採点で高く評価されたいからじゃありません。ご主人様と新婚夫婦を演じるということは、事実上の『予行演習』だとわかったからです」
「予行演習…?」
「いずれ、私たちが、ご主人様と本当に夫婦になったときの…」
 安奈はここで初めて僕からふと視線をはずした。暗い室内だが、彼女が顔を真っ赤にしているのは明らかだった。
 夫婦、という言葉に、僕もドキリとしていた。今まで考えもしないことだった。彼女たち、この学園の全ての女生徒たちが僕をこの上なく愛してくれているのは分かり過ぎるほど分かっていたが、夫婦だとか結婚だとかということは考えなかった。そもそもこんな大勢と結婚できるわけがない。
「戸惑われるのは分かります。でも、私たち、いずれご主人様と夫婦になること以外、考えていないんです。正式な夫婦でなくてもいいんです、永遠の愛を誓い合う関係になって…そして、ご主人様の赤ちゃんを産んでさしあげるんだって…」
 僕はまたドキッとした。安奈の眼は真剣そのもの。見渡せば、ほかの子たちもそろって真剣なまなざしを僕にむけていた。
「新婚夫婦を演じるテストが予行演習になるのは明らかなんです。だから私たち、このテストでは一切手を抜かずに真剣に取り組むことにしたんです。そしてご主人様と真剣に夫婦を演じるためには、本当に夫婦になって愛し合うためには、究極の形として“子作り”をしなくちゃいけない、と考えたんです」
「なら、最初から、そうならそうと話してくれれば…」
「いえ、ご主人様のご誠実な性格から言って、事前にお話ししたら反対されたでしょう。それにテストの件でのご主人様との事前接触は禁じられてましたし…当然教職員のみなさんだって賛成してくれるとは思えません。ですからこうやって、トリックを使うしかありませんでした」
 頭がいい子だとは思っていたが、こういう作戦に出るとはなぁ…と、僕は半ばあきれていた。
「でも、一部始終はテスト採点のために録画されるんだろ?このやりとりだって、全部教職員たちに聞かれちゃうぜ」
「もう、してしまったことですから、いいんです。私たちとしては最高の形で新婚夫婦の熱愛を演じるという目的は達しましたし、それがテストに真剣に向き合った結果だと、教職員のみなさんも認めてくれると思います。身も蓋もなく言ってしまえば、『やったもの勝ち』ですわ」
 安奈はここでようやく表情を崩し、クスッと笑った。
「…だけど、本当に妊娠しちゃったら…」
「もちろん、望むところです。いずれみんなそうするつもりなんですから。お仕事にさしつかえることがあるかもしれませんけど、私たちにとってはお仕事より大切なことです」
 そこまで聞いて、僕はふーっとため息をついた。困惑はしていたが、感激もしていた。この子たちが、そこまで僕を真剣に愛してくれているとは。将来の永遠の愛だとか、僕の子供を産んでくれるとか、そんなことまで考えていたとは。
 僕は安奈を抱き寄せ、それからつながったままの琴美も抱き寄せて、咲夜の膝を枕に横になった。そういえばさっき咲夜にも中出ししちゃったが、ひょっとするとこの巨乳グラビアアイドルを僕の子種で妊娠させてしまうのかもしれない。
「…みんな、ありがとう。そこまでみんなに真剣に愛されて、僕は幸せ者だよ」
 僕はそう言って、安奈と琴美にキスをした。
「もう一つ、お話ししておくことがあるんです」
 唇を放すと、安奈が言った。
「なんだい?」
「実は…いずれご主人様の赤ちゃんを産むように、というのはご先代さま、二宮敬蔵さんのご遺命でもあるのです」
「祖父さんの?」
「はい。私たちは晩年の敬蔵さんにお仕えしましたが、全てはお孫さんの賢司さんのお相手をつとめるための訓練なのだ、と言いつけられていました」
 この「後宮学園」の創設者にして二宮プロの創業者が祖父の二宮敬蔵だ。祖父がこのハーレムを作り、それを僕に引き継がせたわけで、この学年の全ての教職員や専用ソープのソープ嬢たち、そして学園の2年生と3年生は全て祖父の「お手付き」であり、僕への「おさがり」だ。分かってはいることだが、そのことを思い出すと、僕もさすがに胸の奥にうずきを感じることがある。
「全ては僕の相手をするための訓練、か…それで?」
「この『後宮学園』はその建設当初から、ひとえに賢司さまのお一人ために作られたのです。少なくとも敬蔵さんはしっかりとそのご遺志を持ってらして、私たちの相手をなさる時もそのことをしきりにおっしゃっていました」
「そうなのか…」
「ええ。実は敬蔵さんは…その、この学園で女性の相手をなさるときは、常に…コンドームをつけてらっしゃいました。女生徒だけでなく、教職員やソープ嬢のみなさん相手のときもそうだったはずです」
「それは初耳だ。この学園に来て以来、ここでは生の中出しが基本、って聞かされてるけど…」
「ええ、でもそれはあくまで賢司さんだけのお話なんです。敬蔵さんはこの点、とても気をつけてらっしゃって、ハーレムを楽しみつつも、生でなさることは一度もありませんでした。それは賢司さんだけの権利だ、とおっしゃって」
「へえ…」
「私たちもよく言いつけられました。君たちの女性器と直接生で交われるのは賢司だけだぞ、君たちの子宮に精液を注げるのも賢司だけだぞ、って…」
「……」
「…そして…君たちを孕ませて、子を産ませられるのも賢司だけだぞ、って…」
 僕は正直驚いていた。もちろんこれまでも祖父への感謝の気持ちはあったが、ハーレムをただ引き継がされたという引け目もあったし、いま自分のものになっている女性たちが以前は祖父のものだったということに嫉妬心もあったのだ。だが、今の話が本当だとすると、少なくともこの学園やソープの女性たちは、生で相手をした男性は僕が初めて、ということになる。そしてその胎内に中出ししたり、孕ませちゃったりしてるのも僕だけだということに…
 処女を捧げられたというのとはまた違うが、僕はそれまで抱いていたモヤモヤ感をかなり払拭することができた。少なくともあの何百人という女性たちに生で入れて中出ししてるのは僕だけだぞ、と。ハーレムの主としての誇りのような、熱いものが僕の胸にふつふつと沸いた。
 僕はいま中出ししたばかりの琴美にキスし、その下腹部をまさぐった。もしかすると、僕はこの人気アイドルのリーダーに、新しい命を植え付けてしまったのかもしれない。まずい、という気持ちもあったが、それより男としての喜びの方が大きかった。
 膝枕をしてくれている咲夜の顔を見上げた。顔の前に彼女の巨乳がドーンと目の前にかぶさってきた。それから顔を傾けて咲夜の下腹部に頬をすりつけながら、こっちにも新しい命を植え付けたのかもしれないことに思いを馳せた。
(…もし咲夜に赤ちゃんを産ませたら…この巨乳からミルクが…ううっ、それは赤ちゃんとの奪い合いに…!)
 僕はたちまち妄想の世界に入ってしまい、肉棒に再び血をたぎらせた。
「ああっ!」
「どうしたの、琴美?」
「ご主人様ったら、あたしの中でまた勃っちゃってる!」
「あら、じゃあもう種付けしてもらった琴美は離れなさいよ。今度は私がしてもらうから」
「だーめ。念のため、私がもう一度注いでもらうの」
「こらこら、一人占めはだめでしょ。安全日組も危険日組も旦那さまと合体する機会は均等よ。ただ中出しする時だけ、危険日の子にしてもらうの」
 女生徒たちは口々に騒ぎ始めた。さっきまでの厳粛な愛の語らいはどこかへ行ってしまい、男と女の淫靡で楽しい「子作り」が再開されようとしていた。
「なぁ、じゃあこっちも開き直って子作りさせてもらうけど、ひとつ提案」
「なんです?」
「“危険日”って言い方さ。なんか悪いことするみたいじゃないか。専用ソープじゃ、“孕み頃”って言ってるぜ」
「あ、それはいいですね。じゃあ今後はそう呼びましょ!」
 すると安奈が僕の頬をつねってきた。
「旦那さまったら、私たちという妻がいながら、家の外でそんなふうに子作りしまくってるんですってね。私たちがこんなことをしてるのも、それを知って心穏やかじゃなかったからなんですよ」
「え、あ?そうだったの?」
「うふふ、半分はホント」
「そうか、よしよし。じゃあ今後は家でも外でも平等に子作りすることにして…」
「もう、調子がいいんだから…!」
 笑い声のうちに、僕と三十人のネグリジェ妻たちの、「夫婦の営み」が再開された。だが今度は僕が積極的に攻める番だ。僕は手近な「妻」を二人三人とまとめて押し倒し、その全身を愛撫しまくってから、次々と合体していった。
 さっきの「告白」のおかげで、僕と彼女たちは全ての垣根が取り払われてしまったかのように、三十一人で一心同体、以心伝心の状態で熱く交わり合った。僕が誰かを押し倒して合体しようとすると誰かがちゃんと肉棒を目指す穴へと導いてくれ、僕がピストンを始めると僕の上半身に数人が抱きついて激しく求めあい、同時に僕の尻穴を舐める子もいて、僕を一気に昂ぶらせて来る。
 続いて他の子をバックで貫くと、その子の背中にまたがった子が僕の顔を胸にうずめさせ、背中にも柔らかな乳房がいくつも押し付けられる。バックでファックされている子の両隣りには、「次は私に」とばかり、いくつものお尻が並べられていた。
 もうそのあとは、何がどうなったのか――それこそ本能に任せたオスとメスになって、僕らはムチャクチャに群がり、交わり続けた。はっきり覚えているのは、僕が射精しそうになると彼女たちが目ざとく気づいて素早く合体相手を「孕み頃」の子に変え、僕に「種付け」をさせてくれていた、ということだ。
 そんなことが夜中の二時過ぎまで続き、この日「孕み頃」だった十人全員に僕は子種を注いでいた。うち何人かは二発は注いだかもしれない。僕が「孕み頃」の子に中出しすると、注がれた子はもちろんのこと、それ以外の女生徒たち全員がまるで自分に種付けされたみたいに興奮し、幸福感を共有しているのが見て取れた。
 まさに、三十人が一体となって、僕と「子作り」をしていた。確かに一夫多妻の新婚夫婦を演じるテストとして、これ以上の解答はないんじゃないか――僕は彼女たちの愛情に全身を包まれながら、そんなことを思った。そしてまた「孕み頃」の誰かの胎内に精を注ぎつつ、体力の限界が来てそのまま眠りに落ちて行った…


 翌朝、僕が目覚めたのは7時半ごろだった。体を起こしてみれば、僕の下半身は「孕み頃」の一人、蘭と合体したままだった。
 すでに外の明るい日差しが射し込む「鴛鴦の間」には、すでに三十人全員はいなかった。下の階でガチャガチャと食器がぶつかる物音がするところを見ると、みんな朝食の準備に追われているらしい。洗濯機が回る音も聞こえる。
 「鴛鴦の間」の一面に敷かれていた布団も大半が片付けられて、僕の周囲の四枚を残しているだけだった。その四枚の上に僕と、それを囲む十人の女の子がいるだけ。見ればその十人は、まさに「孕み頃」の子たちばかりだ。みんなすでに先に目を覚ましていて、僕の目ざめを待っていたのだ。
(これは朝勃ちの目ざめ一発を、この子たちとしろってことだな)
 と承知した僕は、さっそくまた「子作り」を開始した。今度は十人と人数が少ないが、その代わり全員「孕み頃」だから、誰に出しても「種付け」になるわけだ。それを思うと僕はますます興奮し、次々と相手を変えて十人と交わった。十人全員と一通りハメて、二周目に入った五人目、奏子とつながったところで、僕はこの日一発目の射精を始めた。ゆうべ僕に子種を注がれ、もしかするとそろって妊娠してしまうかもしれない十人に全身を包みこまれながら、僕は彼女たちへのひとまず最後の「種付け」のひとときをじっくりと楽しんだ。
 目ざめの一発が済むと、僕らは服を着て布団を片付け、食堂へ行ってすでに用意が整っていた朝食を三十一人全員で食べた。
 そして8時半になったところで、僕は校長室に向かうべく「覇麗夢荘」をあとにした。
「あなた、いってらっしゃい!」
 玄関のところで三十人の妻たちが声をそろえて僕を見送る。彼女たちは三人ずつの十の組を作り、三人同時に僕と「見送りのキス」を交わすリレーを続けていった。
 彼女たち全員とのキスを終えたところで、僕は玄関から外に出た。これで3年A組の「新婚さんごっこ」のテストは終了だ。
 僕は振り返って「覇麗夢荘」を見上げた。今日は朝から雲ひとつ見えない青空が広がり、朝の光に照らされて「覇麗夢荘」はいつにも増してまぶしく見えた。この中で、昨日の夕方から今朝までに展開された、それこそ麗しい夢のようなひとときを、僕は頭の中で反芻した。
 いつもの「夜伽」とは違う、濃厚な愛に包まれた時間。そしてこれまで学園外の専用ソープでしか味わえなかったオスの本能を全て解放した充実の行為。それを思い返して僕はウキウキしながら校長室への道を歩いて行った。


 しかし校長室に入ったところで、急に気が重くなってきた。彼女たちに望まれてしたこととはいえ、僕がタブーを破ってしまったことは事実だ。これでもしあの女生徒たちの中で本当に妊娠する子が出たりすると、二宮プロ社長としては困ってしまう。
 いや、実のところ、自分が困るのは大したことではない。僕を助けて実質的に二宮プロの後宮学園を管理している、石田めぐみや結城利香などの芸能人教職員たちが怖い。僕も彼女たちには頭が上がらず、これは怒られちゃうだろうなぁ、と心配になってきたのだ。
 黙ってごまかすわけにもいくまい。テスト採点のためにゆうべの一部始終はビデオ録画されているんだから。
 校長室の自分の椅子に座って、どう言い訳したものかとあれこれ悩んでいると、ノックがして、結城利香が入って来た。利香はまさに3年生テストの担当教官だ。
「ゆうべはお疲れ様でした、ご主人様」
 利香は校長室に入ってドアを閉めると、そう挨拶して深々と礼をした。
「あ、ああ…おはよう」
「ゆうべから今朝にかけての3年A組のテストですが、無事に終了したようですね」
「うん。無事に…何事もなく終わったよ。やっぱり自然に任せてみるもんだな。みんなも僕も特に問題なくやれたよ」
「それはよかったです。ちょっと心配してましたから」
 利香はニコッと笑った。
「えーと、その、テストの様子のビデオは見たの?」
「いえ。これから拝見して、採点させていただきますわ」
 ちょっとホッとした。どうせ見られてしまうわけだが、少なくとも今はバレていない。単なる問題の先送りだけど…。
「でも実は、ゆうべの真夜中に、生中継で一部拝見しましたわ」
「えっ!」
「ご存じのとおり、この学園ではほとんどの場所にカメラが設置されていて、映像センターで管理・録画されています。そこに行けば生中継で様子を覗くこともできますのよ。ちょっと気になったものですから、ゆうべ、めぐみさんやはるかさんたちと一緒に映像センターへ覗きに行ったんです。すいません」
「…ということは…その…」
「ええ。全部は見ていませんが何があったかは存じてます」
 先送りもできなかった。とっくの昔にバレていたのだ。僕は利香から視線をそらし、窓の外に目をやりながら、ぽりぽりと指で頬をかいた。頬はカッカと火照っていた。
「…うふふ、ご心配なく。怒ったりしませんから」
 利香はそう言って歩み寄り、僕の頬に手を置いて僕の顔を自分に向けさせた。
「こういうテストをしたら、生徒たちがこういう行動をするだろうとわかっていたんです。直接指示はしませんでしたが、そういうことになる、なってほしいと期待してました。彼女たちはちゃんとその期待に応えて、“正解”を出してくれた、ということなんです」
 僕は椅子の上でズルッと腰砕けになった。なんだ、教官たちも予定の行動だったのか。心配して損してしまった。
「彼女たちも言ってたと思いますが、ご主人様と愛を誓って本当に夫婦となって、ご主人様の赤ちゃんを産むことは、この学園の女生徒たち全員の目標であり願望なのです。私たちはあえて直接は指示せずに、彼女たちが自分からそういう行動に出るかどうか、その本気ぶりを試すテストをしたのです。個々人の細かい採点はこれからですが、クラスとしての彼女たちの行動は満点を上げていいと思いますわ」
「そうだったのか…」
「おそらく、今日の夜の3年B組も、明日の夜の3年C組も、同じ行動をとるでしょう。ご主人様もそのおつもりでいてください」
 …それはまた大変だ。ゆうべのような濃厚な時間が、一クラス分相手の「子作り」があと2晩も続くのか。僕は舞い上がってしまうと同時に、さすがに自分の体がもつのか心配にもなってきた。
「だけど、その…本当に妊娠する子が出てきちゃったら、まずいんじゃないか?」
「それは織り込み済みですから。この学園では女生徒たちは全て寮に入れて管理してますし、プライベートが外部の者に漏れたりマスコミに騒がれたりする心配はありません。いま現役で芸能活動をしてる子が妊娠した場合は、理由をつけてしばらく休養させればいいんです。それに…」
「それに?」
「仮にいま妊娠した場合、出産は卒業のあとになりますよね。それなら学園としても問題は起こりませんから」
 そういうものかなぁ、と一抹の疑問も感じたが、利香の自信たっぷりの口調に僕はひとまず納得するほかなかった。
「このテストをいま設定したのも、ちゃんとその点が計算に入ってますのよ。ここで3年生の生徒たち全員の気持ちを確認して、彼女たちのカリキュラムも最終段階に進めることになります」
「最終段階って…」
「もう永遠の愛を誓う気持ちを確かめ合ったんですから、今後、3年生については危険日中出し解禁です!」
「おお!」
 思わず僕はガッツポーズをして喜んでしまった。
「うふふっ、実は…ご主人様が専用ソープの『孕ませプレイ』におはまりになって、実際に次々と妊娠する女性が出てきましたから、生徒たちの間で不満の声もあがってましたの。私たちもそろそろ対応しないと、と思ってましたのよ」
 そうか、そういえば安奈も専用ソープにやきもち妬いてるようなこと、言ってたもんな。
「解禁の前に…けじめはつけておきませんと。テストで他のクラスの子たちも同じ行動をとったと確認してから、近日中に『婚約式』のようなものを予定しております。解禁はそのあと、ということで」
 婚約式…ということは、3年生全員、合計90人と一度に婚約するということか?しかし婚約はともかくとして、一夫多妻の結婚は法的には絶対無理なんじゃ…と思ったが、僕はあえて口には出さなかった。
 利香はすました顔のままいったん僕のそばから離れ、小脇に抱えていたファイルを取り出して開き、今日の予定を説明し出した。
「では、今日も昨日と同じように。午前中が実習室で1年B組と個人実技のテスト、午後が『ソープ後宮』で2年B組とソープ集団実技のテスト、そして夜は『覇麗夢荘』で3年B組と新婚夫婦の実演テスト、となります」
 また今日も同じ展開だ。だがそのメンバーは全て異なる。今日もまた密度が濃いな、と思いつつ僕は早くも興奮し、勃起してしまっていた。
「では、間もなく9時から1年B組のテストですので。呼び出しが参りますから、それまで心と体の準備をなさっていてください」
 利香はそう言ってファイルをまた小脇に抱え、ドアの方へ歩み去ろうとした。
「あ、利香、ちょっと待って」
「はい?」
 清楚な美人女優が足を止め、くるりとこちらを振り向いた。
「その…ちょっと聞いておきたくて」
「なんでしょう?」
「ええと…きみに、その…生で…中出ししたのは、僕が…」
「はい。私だけでなく、ここにいる女性全員、おなかに中に精液を注いでいただいたのは、ご主人様だけしかいらっしゃいませんわ」
「そ、そうか。それなら、いいんだ」
「では、失礼いたします」
 ドアを開けて立ち去る利香の後ろ姿を見送りながら、僕は決して小さくない満足感に浸っていた。


 そしてその日一日も、予定通りに三学年のテストが行われた。基本的に初日と同じなので、いちいち繰り返し書くのはやめよう。ただメンバーは全て違うので、同じことをしていても僕には新鮮な驚きと喜びがあった。
 1年B組のテストの最後にはやはり教官たちによる「お手本」があったし、2年B組のソープ集団実技テストの最後には前日予告があった通り、「孕み頃」のソープ嬢たちが来て生徒たちの前で「孕ませプレイ」の実演をしてみせた。
 そして夜の3年B組との新婚夫婦テストでは、当然のごとく「子作り」が何度となく実行された。すでにA組が先行していたのでB組の子たちはリボンを入れ替えるような小細工はせず、
「あなた、赤ちゃん、つくりましょうね」
 と、いきなり最初から子作り宣言をしちゃったものだ。僕もすでに利香から「公認」されていたから、遠慮なく最初から孕ませを狙ってはめまくり、出しまくった。
 三日目は三学年のC組が、まったく同じ展開でテストを行い、一日が過ぎていった。

 テスト期間の三日間が過ぎた翌朝、僕はいきなり学園の外へ追い出された。
 別に何か悪事を働いたとか、罰を受けたというわけではない。テスト期間の翌日は「テスト休み」に指定されていて、後宮学園では全ての授業が休みになっていた。女生徒たちは学園内の寮や施設でくつろぐだけだが、教官たちはこの一日で生徒たちのテスト採点をしなければならない。
 ちゃんと普通の高校と同じ各教科の学力テストも行われていて、その採点もある。それに加えて「ご主人様」である僕との性行為のテストがそれぞれ採点される。性行為のテストでは1年生は個人技能だけだが2年と3年は集団でのチームプレーも採点の対象となっていて、個々人の点数にそのチームプレー評価も加算される。
 それら学力テストと性行為テストの総合点が各自の成績として記録されてゆく。成績上位者は学園内に掲示され、表彰されるという話だった。
「各学年の成績ベスト3に入りますと、素敵な賞品が授与されるんです」
 と、テスト全体を統括するめぐみが説明してくれた。
「賞品?」
「はい。生徒たちが一番喜ぶもの。ご主人様、あなたですよ」
「へ?」
「正確に言いますと、ご主人様と一日デートする権利が与えられるんです。これを発表したら、みんな大乗り気で、エッチの方はもちろんですが、勉強もずいぶん頑張っていたんですよ」
 ふーむ。このテスト、エッチだけでなく勉強もできなければ成績上位者になれないんだから、ベスト3に食い込むのは相当な子たちだな。
「それで、テスト採点は厳格に行われます。学力テストはまだいいんですが、ご主人様との性行為のテストはビデオ映像のチェックでかなり手間取ります。教官総出でやりますからね。そして当然ですがテスト結果が出るまでは女生徒たちとご主人様の接触は禁止です。ご主人様も採点者の一員ですから、不正が起こらないとも限りませんので」
 …と、めぐみに言われて、僕は今日は丸一日、学園の外に追い出されるはめになったのだった。
「外といっても、どこへ行ってればいいかな…」
「あら、とっくに内心お決めになってるんじゃないですか?今日は泊まりがけで遊んでらしていいんですよ」
 そう、外に出てろと言われた瞬間、内心行く場所は決めていた。泊まりがけでとまでは考えてなかったが、確かに帰って来ても夜伽はないようだし、泊まりがけで遊ぶしかあるまい。

 そんなわけで、僕は「後宮学園」を車であとにして、専用ソープへ遊びに出かけたのだった。
 そしていつものように百輪車。泊まりがけだから時間もたっぷりあったので、いつも以上に時間をかけて、学園内でできない分を全てソープ嬢たち相手にぶつけていった。
 念のためこちらのソープ嬢たちにも確認をとったが、やはり彼女たちも祖父・敬蔵に集められてその相手をしているものの、生の中出しをさせたのは僕が最初とのことだった。当然「孕ませプレイ」も僕が最初に遊んだ男で、僕だけのために設けられたものだったのだ。
 それを聞けばやはり嬉しい。僕はこの日も当然のごとく「孕ませプレイ」を楽しみ、この日「孕み頃」だったソープ嬢たち合計12人(そのうち何人かはテストの見本を見せに学園に来た)の全員に、泊まりがけで種付けしていった。
 夜半までかかってひとまず「孕み頃」の全員に一発ずつ中出しを済ましたところで、僕はソープ嬢たちの女体に群がられる肉布団状態にされて眠りについた。眠り際に、最後に僕に中出しされたソープ嬢が、僕と合体したままで僕の耳にささやいてきた。
「学園の3年生たちも、子作り解禁なんですってね。私たちもライバル登場で負けてられませんわ。これからもプロの技でたっぷりサービスして、赤ちゃん作ってさしあげますから、お忘れずに遊びにいらしてね」
「も、もちろん、忘れたりしないよ」
 これだと学園の中と外とで「子作り合戦」になっちまうなぁ、と内心苦笑しながら僕は答えた。
「そうそう、ご主人様」
 反対側に抱きついていたソープ嬢が一枚の紙片を僕に差し出した。
「なんだい?」
「これ。招待状です」
「招待状?」
 僕はその紙片を受け取って、その上に印刷された文字を読んでみた。
 『後宮特殊浴場プロ養成専門学校学園祭 招待状』
 とある。
「なんだい、これ?」
「あ、ご存じないですよね。この専門学校、私たちの母校なんです。二宮敬蔵さんが創建した学校で…もちろん、表向き普通の職業訓練校を装ってますけどね。そこで訓練を受けて資格を認められた者だけが、ここの専属ソープ嬢になれるんですよ」
「祖父さん、そんな学校まで作っていたのか…」
 僕はまたも祖父に唖然とさせられることになった。
「ええ。『後宮学園』とは対の関係になってまして、教職員も生徒も全く同じ数なんです。私たちは一期生で最初の卒業生だから、『後宮学園』より一年早く開校したんですけど」
 同じ数、ということは、そこにも270人の女生徒がいるわけか。その全員が、ソープ嬢を目指して訓練中…しかも、この専用ソープ専属、ということは、その子たちもいずれみんな僕の…
「それで、この学校では今年から学園祭を開くことになりまして。もちろん一般の人には開放しません。招待されるのはただ一人、ご主人様だけですわ」
 聞いているだけで、僕はワクワクしてしまった。そんな学校があること自体にもワクワクしてしまうが、そこで開かれる学園祭にただ一人招待されるということは、何が待っているか想像がついてしまう、いや、妄想が広がってしまうではないか。
 僕は新たに自分にふりかかってきた快楽への妄想に胸を熱くしながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。孕み頃、種付け済みの女体の群れに全身を包まれる幸福感に浸りながら…

「定期テスト」の章、完結

(今後もまだまだ続きます…)

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