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歓楽のハレム

伝道師nideのコミケ遠征&オフ会日記

 (2)



12月29日(2日目)

nide「ZZZ・・・。う、うーん・・・」

 目が覚めると、昨日付けっ放しのままだったTVで6時を報せていた。あまり時間に合わせて起きるのは得意ではないのだが、今回は特に寝坊などせず起きられたようだ。

 とりあえず、しばしTVを見ながらボ〜ッとして過ごす(笑)。やっぱり昨日の疲れが残っていたのか、頭が少し重くて思考も今ひとつまとまらない。まあ低血圧気味でもあるので、そのせいだとは思うけど。

nide「・・・おなか減った・・・」

 何とか腹の減った事を認識して、食料を調達しに外へ。夕べと同じコンビニに行き、朝ごはんにする。今度は面倒なのでそのままコンビニで食う(「ミニストップ」の食べられる所ね)。

 その後、ホテルに戻って身支度をする。シャワーを浴びて、髭剃って、顔洗って、髪整えて・・・。ちなみに、私は備え付けのシャンプーとかは使わない。アトピー皮膚炎なので、専用の奴を使わないと肌が荒れるのだ。

nide「ある意味、『脱いだらすごい』状態です(笑)」

 そういえば、浴室から出た後は足を中心に自分でマッサージを行った。もう痛い事は無いんだけど、足がこったような状態で血の巡りがあまりよくないような、そんな感じがしたので行っておいたのだ。それに、今日はいよいよ私にとっては未開の地でもある「コミケ」という戦場(笑)に赴くのだから、念を入れて準備するに越した事は無い。ついでに、屈伸運動やアキレス腱伸ばしなども念入りに行っておく(笑)。

 そして出陣のために荷物を整理しなおす。本当は夕べやっておいた方が良かったけど、あの時はそんな余裕がある筈が無かった(笑)。貴重品以外の服とかの荷物はまとめて部屋に置いといて、アキバの戦利品も(日記には無いけど何気に買ってます)背負い袋からバッグの方に移して、ノートパソコンとかは・・・まあいいか、一緒にバッグの中に置いておこう。泥棒が持っていったら、ホテルの人間ぶっ飛ばすだけだし(笑)。最低限の物だけ入った背負い袋と、貴重品入りのサイドポーチだけにしてと・・・。

 こうして準備を行って、よく考えるとまだ着てなかった服も着て(笑)、8時半ごろに私はホテルを出た。コミケには午後から行く予定なんだけど、その前にちょっと他にも見て回ろうと思って早くから出る事にしていたのだ。

 ホテルを出て、夕べ新橋駅から通った道を今度は駅に向かって歩いていく。夕べは結構人通りもあって風俗のチラシを配る兄ちゃんとかも居たので、疲れた身には正直殴ったろうかと思うほどうざかったけど、さすがにこの時間には見かけない。というか、そんな健康的な客引きはイヤだ(笑)。

 そんな事を考えながら歩いていると、右側にある大きな通りの方に突然、何か大きなものが見えたような気がした。好奇心に駆られて、そっちの通りの方に足を向けて歩き出す。ビルとビルの間の道を歩いて大きな通りに出て・・・。

nide「おおっ!おおおっ!おおおおーっ!!でかっ!」

 思わず上を見上げて、声を上げる。と、タイミングよく向こうから歩いてきたおねえちゃんに見られて、彼女は一瞬怪訝な顔でこっちを見た(笑)。が、私の行動の理由をすぐに察した様で何事もなかったように私の横を通っていく。

nide「別に私が素っ裸にコートだけ着ていて、彼女の前でコートの前を開いた訳ではない(笑)」

タム「そんな訳あるかい!

 とにかく、そうして私が口をぽかんと開けて見上げる先には・・・・、巨大なビルがドン!ドンドン!ドン!とそびえていた。

 知ってると思うけど、この新橋、そして隣の駅のある浜松町近辺の「汐留」と地名の付く一帯は再開発が進んでいて、超高層ビルが続々と建設されている。夕べ通った時は真っ暗だったのと疲れていたのとで全く気付いてなかったんだけど、今朝通ってみてようやく気付いたのである。

 まあ、東京に住んでる人には「なんだ、そんな事か」と思われるかもしれない。けど、至近距離から見上げたそのビルの高さってのは、自分にはなかなか衝撃的なものだったのだ。

nide「だって、うちの実家だとあの高さだと『山』位しかないから(笑)」

 一応汐留については「再開発」とか「高いビル」とかの話は聞いていたので、まあアキバ・コミケだけでなく「まともな所(笑)」も見ておこうかな?と思っていたのだ。なので、さっそくこのビル群を見に行く事に決定して、歩いていった。

 新しい日本テレビ本社になるビルの横を歩いていって、ついでにほぼ真下からのアングルで写真を一枚。新橋の駅が左手に見えたけど、これを通り過ぎてさらに歩く。

 そういえば、遠征に来る少し前に深夜TVでこの汐留一帯を紹介してた奴があって、その中で「最上階に料理店があって、そこまで誰でも行ける様になってるビルがある」という話があったのを思い出した。で、どうせならこの高いビルの上からの眺めを見て見たいなあ、と思ったのだ。

タム「バカと何とかは高い所に上がりたがる・・・

nide「それ、『何とか』の位置が逆(笑)」

 ただ、時間的にはまだ9時位という事もあって、ビルには入れるのかどうかわからないし、そもそもその話に出てたビルが何と言う名前だったか思い出せない。
 どうしようかな・・・と思いながら歩いていると、まだ建設中のビルの側で作業をしてる作業員の兄ちゃんが居たので、声をかけてみた。

nide「すいませーん、この辺で中に入れる(開放されてる)ビルって無いですか?」

作業「入れる?・・・うーん、分からないなあ・・・」

nide「何か中にお店が入ってるらしいですけど・・・」

作業「・・・。やっぱり知らないなあ・・・」

 うーん、分からないか・・・。しょうがないので、そのまま通りを歩いていく。途中で歩道橋みたいなのを上がると、そのままそれが立体通路みたいになっているのでそのまま歩いていく。
 すると、最初にビル群を見た時に一際目に付いた大きなビルの方にやって来た。一応入り口らしい扉はあるんだけど、まだ閉まってるみたいだ。
 そのまま歩いていると、ビルの下の方の階、ちょうど立体通路から見下ろすような位置に、何かどこかで見たような場所が見えたのだ。

nide「あれ?ここって・・・、あ、TVで見た奴だ!」

 そう、さっき言ってたTVで出てた場所だったのだ。確か、有名な劇団の専用劇場だった筈だ。TVを熱心に見てたわけではないが、建物全体の構成をなんとなーく覚えてたのだ。
 やっぱりTVに出てたビルは、ここに間違いないみたいだ。なら、中に入れると思うんだけど・・・。とりあえず今見下ろしている辺りまで降りてみる。

 下まで降りてそのビルの周りをてくてく歩くと、何か人が入って行くのが見えた。どうもビルの下の階にテナントのお店なんかが入ってるらしい。で、入っていくと・・・、あ、エレベーター発見!これで上にいけるんだ!
 エレベーターに入って、一番上の階のボタンを押す。で、振り返る・・・、あ、外が見えるんだ・・・、と思った瞬間、私は度肝を抜かれる位驚いた。

nide「うおおー!速ええーー!

 さすがに高層ビルだけあって、エレベーターの速度も速い速い。というか、一瞬膝にGが来たのを感じたぞ・・・・。そしてそのままエレベーターは上昇を続けていく。
 外を見ると、下を通行してる人や車が小さくなってそのうち判別できなくなって、見上げてたビルが見下ろすくらいになって・・・って、まだ上がるんかーい(笑)!

nide「正直ここで、自分が高所恐怖症だった事に気付きました(笑)」

 まあ50階近くまで上がるっていうんだから、別に高所恐怖症でなくても怖くなると思うぞ。それに恐怖症といいながら、途中まではエレベーターの外に近づいて下を見て楽しんでたが(笑)。でも、さすがに30階越えた辺りで怖くて扉の方に引っ込んだけど。

 とかなんとかやってるうちにエレベーターの速度も下がって、ようやくついたみたいだ。到着のアナウンスが聞こえて、扉が開く。

 開いた扉の先はフロアーみたいになっていた。何箇所かに扉があって、お店の看板なども出ている。
 しかし、ここにあるのはバーや割烹とかの店なのでこの時間に開いてる訳が無く、人の姿も自分と同じように見物できてるらしいおじさんと、清掃員の爺さんのみだった。あ、バーの中で準備中らしい(或いは今から店閉まい?)兄ちゃんも居たかな?

 どっちにしろ、今は閑散としていて見るものも無い状態。それでも何かないかなあ・・・と、フロア内を見ていくと、さらに上に行く階段とその側に小さめの休憩できそうな空間が。そこには
大きなガラス壁があって外が見えるようになっている。自分もさっそく見てみる、と・・・。

nide「おおー!・・・見ろ、まるで人間どもがゴミのようだ(笑)!」

タム「あんたは人間じゃないんか(笑)?」

 何と言うか・・・、すごい光景だった。よく映画なんかでNYの摩天楼からの眺めとかですごいのがあるんだけど、あれにも負けない感じ。

 ちょっと朝靄で白みがかった中に巨大な高層ビルが幾つも浮かび上がっていて、網の目のように張られた道路を車が行き交っている。海の方に目を転ずると、丁度昇って来た太陽の光が海面に反射して全体が白く光り、その中にビルや巨大な橋が光を遮って建っていて・・・。

 うーん、書いててもどうしてもこの状態を伝え切れないのが辛いものがあるなあ・・・。でも、飽きっぽい私が30分以上ずっとただ景色を見てたって事で、どれだけすごいかわかってもらえると思う(笑)。あと、写真もバシバシ撮ってたなあ、景色ばっかり(笑)。

 んで、景色を存分に堪能して、私はビルを降りる事にした。上がってきたのと同じエレベーターに乗ろうとすると、さっき居た見物らしいおじさんも乗ってきた。
 そしてエレベーターが降り始める。今度は上ってきた時と逆の、フリーフォールのような浮遊感に襲われる。でも降りる方は上がるのに比べて慣れるのが早く、少ししたら気にしなくなった。その時、不意に一緒に乗ってたおじさんが声をかけてくる。

おじ「いやー、本当にすごいねえ(高さの事)」

 ちょっとびっくりしたんだけど、なぜかすぐに反応して合いの手を入れる私(笑)。

nide「そうですねえ。ほら、こうやって下見ると奈落に落ちてるような感じで・・・(そう言って窓ギリギリから下を覗く)」

おじ「さすがにそれは・・・(焦)。でも、最初このエレベーターがどこにあるか、よく分からなかったよね?」

nide「そうなんですよ。僕も・・・」

・・・なぜか1階に辿り着くまで、景色を見ながら見知らぬおじさんと話していた私だった(笑)。

 さて、超高層ビルを堪能(?)して、時計を見ると10時過ぎ。コミケの待ち合わせの時刻はお昼の1時なので、もう一箇所くらい行ってこれるくらいの時間だ。
 そこで、私は「余裕があれば行っておこうかな」と思ってた次のポイントに行く事にした。丁度さっき降りてきたこの高層ビルのすぐ目の前に、最近できた「地下鉄大江戸線(でもこのネーミングはどうだか・・・)」の駅がある。まあ東京の場合、そこら中に色んな交通機関があるのでちょっと歩いても「○○の駅がすぐそこ」なんて状態だけどね。

nide「うちの田舎の場合、歩いて20分で無人駅が一つあるだけ(笑)」

 とりあえず目的地の駅までの乗換えを駅員さんに聞いて、私は改札を通って電車に乗っていった。

タム「で、どこ行くの?」

nide「それは神のみぞ知る・・・

タム「何でやねん!

 地下鉄汐留駅から電車に乗って一度乗換えをして、目的の駅に着いた。時間は10時半くらい。地下から階段を上がって地上に出ると、大きな通りが目の前に。そして、その通りにある店には「○○書店」「××書房」という看板が無数に並んでいて・・・。
 そう、ここは神田は神保町の古書街である。私は以前にちょっとだけ関東に住んでた事があって、アキバはもちろんその時に通い詰めていたのだけど(笑)、実は神保町にもよく行っていたのである。もちろんこの私が「古書」などという高尚な趣味があるわけでなく(笑)、別の物を探しに来てたんだけど。

 とりあえず、てくてく歩いて大きな通りからちょっと裏路地っぽいところまで周って行く。
 だけど、今回は「年末&日曜」というちょっと特殊な日である上に、まだ少し時間も早い。人通りもそんなに多くなく、お店も中が暗かったり扉が開いてなかったりしている。
 ただ良く見ると全部休みという訳じゃなくて、開店時間が描かれてる店もある。そこに示されてる時間は11時、またそれ以降くらいがほとんど。

nide「うーん、しばらく待てば開店しそうだなあ・・・」

 このまま何もせずに引き返すのもあんまりなので、幾つかの店が開くまで待つ事にした。で、その間の時間を無駄にしないために、ちょいと早いがお昼ご飯を食べる事に。とりあえず目の前にあった立ち食いソバ屋に入る。

タム「しかし、夕べから本当に食べ物にはお金かけてないなー」

nide「ほっとけ(笑)。そんなものに使うなら、エロゲーに回すのだ

タム「ある意味、立派な心がけかもしれない(笑)」

 そしてお昼を食べて、それでも時間があったのでソバ屋の近くのゲーセンで格闘ゲーム乱入してあっさり負けて(笑)時間は11時くらいとなり、さっきの通りまで戻ってきた。
 すると、さっきまで閉まってた幾つかのお店が開いてるみたいだ。さっそく中に入る事にする。

 お店の引き戸を開けて中に入ると、壁などに天井まで届こうかという棚が並んでいて、そこには・・・裸のお姉さんの絵のついたパッケージが並んでいた(笑)。

タム「古書店じゃなかったのか(笑)!

 はいな、見ての通りのエロビデオ屋さんです。私にとって神保町は、「ビデオを探しに来る町」なのだ。もちろん本屋にも入るんだけど、メインはエロ(笑)。ここらのビデオ屋って結構古いのやら珍しいのやらが見つかる事が多くて、昔通ってた頃から結構お宝が出てきていたのだ。

 で、何軒かのお店を回る事にした。中にはすごく狭そうな店、妖しげなお店もあるんだけど、何も気にしないで入っていく(笑)。いや、こういう妖しいお店こそお宝がある、という間違った信念でもって私は店に入っていく(笑)。

 ただ、今回はどの店を見てもそんなにお宝というほどの物は見つからなかった。前からちょっと目をつけていたビデオもあったけど、単に今まで食指が動かなかったので買うのを保留していたという程度のしかない。まあ、何も収穫がないのも癪だったので買っといたけど(笑)。

 そして、そろそろ時間だし移動しようかなあ・・・と思ってた時に、今回の神保町探索での最大の発見(笑)をすることになった。

 それは一軒のビデオ屋での事だった。ここはわりと古いビデオを中心に扱っていて、店は狭いけどきちんと整理されて陳列されてるので、よく来る店だ。
 棚に並んだビデオを一通りチェックしていったが、やっぱりここでも特にめぼしいものは見つからない。しょうがないので、ちょっと目をつけておいたわりと最近発売のビデオ1つだけを持って店員のいるカウンターに行く。
 そして会計をしている時に、何気なく近くにある棚に目をやる。そういえば、ここは見てなかったっけ・・・と思いながら軽くチェックしていって・・・ふと、どっかで聞いたようなタイトルを見つけた。棚から手にとって確認する。そして、その瞬間、

nide「ちょ、ちょっと(会計を)待ってもらえますか!?」

 と店員を制してしまった。そして、改めてその手に持ったビデオを確認する。

 HP「歓楽のハレム」で第2管理人も行っている大常連「てつや」さんは、自身のコレクションなどの紹介をHP内でしている。その中のビデオのコレクションの中に、特に高い評価を受けてる作品で、「性遊記」というのがあるのだ。ただ、あまりに古い作品なので、今まで何度か探した事があるものの一度も見つかった事がなく、「幻の作品」とまで言われていた。そして、今私が手に取っているのが、紛れもなくその「性遊記」だったのだ。
 パッケージを見てみると、HPの紹介で出てたシーンの写真が載っている。やっぱり、間違いない。

nide「これはすごいもん見つけたなあ・・・(パッケージに貼ってある値段を見る)、ってたっかーい!!

 さすがに神保町のマニア御用達のお店(笑)。価値も分かってらっしゃるらしく、すごいプレミア価格になってた。「無駄使いの帝王」の異名を持つ私が躊躇してしまうくらいの値段である。うーん、どうしようかな・・・。

店員「はい、ありがとうございます」

nide「はえ?・・・あ

 店員さんの声で「え?」と思ったら、知らない間に手に持ってレジに出していた(笑)。うーん、いつの間に・・・。

タム「もう本能で動いたとしか思えん(笑)」

 まあ、いいや。今買わないと、どっかの価値の分かってない連中に持っていかれるかもしれないし。長い事探してたお宝を思わぬ所で発見したので、高額だったとはいえ嬉しくなってしまった。

 こうして予定外の支出などしていると、いつの間にかお昼の12時を少し回ってた頃になっていた。もう時間もここで費やす予算も私にはない(笑)。いよいよコミケに行く為に、私は地下鉄へと移動を始めた。

 地下鉄で一旦新橋駅まで戻ってきて、その後「新交通ゆりかもめ」に乗ったのが12時半くらい。目的地の「国際展示場正門」駅まで30分位かかる筈だから、丁度待ち合わせの1時ピタリに着く位だ。車両内に入って座る・・・ところは既に埋まっていたので、扉の側にもたれていた。

 実は以前にこの「ゆりかもめ」に乗って東京ビッグサイトに来た事があるので(その時は真面目な展示会に参加したのだ)、わりと落ち着いた感じで到着まで過ごす。
 でも、事前に聞いてた話ではこのゆりかもめも混雑してしまって大変だろうとの事だったんだけど、予想ほどではなかった。さっき言った様に座る事はできないけど、別にぎゅうぎゅう詰めって訳でもないしなあ・・・。確かに混むのは嫌いなんだけど、身構えてた分だけ逆に拍子抜けした感もある。

 自分がそんな事を思っている間にも、ゆりかもめは「お台場海浜公園」「船の科学館」などの駅に止まり、色んな建物の間を通り抜けて行く。

nide「おっ、あの特徴的なまん丸の形の部屋のあるのは、フジテレビの社屋やな。前に日テレの特番で『マスクマジシャン』に消されてしまって、もう一度建て直す羽目になったという

タム「そんなわけあるかい!

nide「あ、タムタムさん、もうツッコミ役はいいですから。壷の中にでも戻ってて下さい」

タム「はいはい。それでは、パパラパ〜!(シュポン!)

 さて、ツッコミ役も帰った頃に「青海」駅を出て、次が降りる「国際展示場正門」となった。外を見ると、あの独特の形のビッグサイトの建物を見る事が出来る。その時、何か妙な違和感を感じた。

nide「あれ?・・・前の時はあんな感じだっけ・・・?あんなデコボコしてたかな・・・?」

 あの幾何学的な形で直線で構成されてる筈の建物に、妙にデコボコしたように見える所があったのだ。何か黒っぽい感じのデコボコしたラインが見えてる。逆三角形の建物の下の方に集中してるみたいだ。
 一体何だろう・・・、と思ってたら、距離が近づいてきて細部が少しはっきりしてきた。その瞬間、ラインの正体に気付く。

nide「ゲッ!?もしかして・・・、あれ、人の頭なんかぁ!!?

 驚いて思わずちょっと大きめに声を上げてしまう。
 そう、黒いデコボコのラインは一杯行列になった人間の頭だったのだ。建物と建物を結ぶ通路の所とか建物の脇の広場らしい所とか、そこらじゅうに一杯人がいて、それが重なって見えて黒いラインのように見えていたらしい。当初考えてた認識以上のその人の多さに、自分はしばし呆然となっていた。

 自分が驚いてる間にもゆりかもめは動き、そしていよいよ「国際展示場正門」駅に着いた。扉が開くと、何とさっきまで全部の椅子が埋まって立ってる人も結構居た車内が、ほとんどがらんどうになってしまった。

nide「みんなここが目的だったんかい(笑)!

 とりあえず自分も続いて降りる。ホームからエスカレーターで下り・・・ようと思ったら、「調整中」の文字が。何でこんな時に・・・と思いつつ、他の人と同様に階段で下りる。

 階段を下りて大勢の人の流れの中、改札を抜けた。他の人はそのまま駅を出て会場の方に向かっていくみたいだけど、自分はちょっと流れを抜けて脇の方で人が減るのを待つ。

 人の流れが一息ついた所で駅を出て、駅とビッグサイトの建物を結ぶ渡り廊下みたいな所で停まる。すると右方にビッグサイトと、そこに出入りするすごい数の群集が見えた(笑)。さすがに「日本一」を自負するイベント、話には聞いていたけどここまでの人出とは・・・。
 さて、いつまでも人出にビビってる訳にもいかない。私は辺りを見回して、ある人を探し始めた。

 今回、コミケに参加するのが初めての自分は、予めチャットなどでその事を相談して「ガイド役」をして欲しい事を話していた。
 最初は、ちょっと前に書いた常連「雪達磨」さんが引き受けていてくれたのだが、突然のケガにより断念。どうしようか、と困っていた所に「ガイドしましょうか?」と話を出してくれたのが、同じく常連の「じゃっく★ミサ」さんだった。
 で、何度か彼と(チャットで)打ち合わせをして、「29日のお昼の1時に、駅を出た所で待ってます」と話しておいたのだ。

 とりあえず、丁度駅を出たのが1時ピタリ位なので、もう来ていてもおかしくないはず。私は周りの人々をチェック・・・しようとしてある事に気付いた。

nide「じゃっくさんて・・・、どんな人だろう?」

 何と、あれだけ何度も色々確認しておいたくせに、肝心のお互いの格好とかの特徴を確認してなかったのだ。周りにいる人を見ても、誰がじゃっくさんなのか分かりやしない(笑)。
 やむを得ず携帯を取り出して、じゃっくさんに電話をしてみる事にした。
 しかし、ボタンを押し電話を耳に当てると「ただいま電話がかかりにくい状態です」とのアナウンスが。これはマズイ。コミケの会場周辺では、あまりに人が多い為に携帯の基地局がパンク状態になってて、ほとんど電話がかからないと事前に話を聞いていたが、その通りに全くかからない。

nide「うーん、参ったなあ・・・。せめて一回でも繋がれば・・・」

 一度でも繋がればすぐに切れたとしても、向こうの呼び出し音が鳴って誰がじゃっくさんか分かるかも知れない。そう思って繰り返し何度もかけ直してみるが、全く反応が無い。

 それから10分ほど、ひたすらリダイアルを繰り返したけど、結局電話が繋がる事は一度も無かった。そうこうしている間にも人の流れはとどまる事も無く、そして時間も過ぎようとしている。 もうかからない電話を当てにしている場合ではなくなってきた。やむを得ず、自分は最後の手段を取る事にした。

nide「こうなったら・・・。しょうがない、さっきからすぐ側で周りを見ていかにも誰か探してるような、恐らくじゃっくさんじゃないかなあ、と予測できる青年1名に声をかけてみよう(笑)!」

 はっはっは、実は少し前から「多分そうじゃないかな〜?」と目星をつけていた人がいたのだ(笑)。丁度自分が着いた直後くらいに来てそれからずっと誰かを待っているみたいだし、自分と同じように何度か携帯電話をかけてたみたいだし、状況から見てまずそうじゃないかなあ、と、ほぼ確信を持っていた。

 ただ、チャットではよく話をしてはいるものの、自分はじゃっくさんには実際は一度も会った事も無い。もしかしたら話してる感じとは違って、すごく怖いお兄さんなのかもしれない(笑)。結構人見知りする事のある自分は、その辺をじっくりと見定めていたのだ(笑)。
 で、とりあえずこの青年は怖そうな人ではなかったので、自分は恐る恐る(笑)声をかけてみた。

nide「あの〜、すみません・・・」

青年「はい?」

nide「えーと・・・、誰か待ってらっしゃいます?」

青年「そうですけど・・・、もしかして、nideさん?」

nide「え?・・・あ、はい!そうです!」

 ほーら、やっぱり(笑)。そういや、私は本名の○○じゃなくて「nide」なんだっけ。昨日も思ってたんだけど、チャットの文字の上ではともかく実際に声に出して呼ばれると、何かまだ違和感を感じるなあ。このHNを声に出す事なんかまず無いし。

 さて呼び名はともかく、やっと会う事が出来たじゃっくさんは、声がはっきりしていてお喋りの好きそうなちょっと小柄の青年だった。そしてその隣には、じゃっくさんの知り合いらしい青年がもう一人いた。

じゃ「あ、こちらはネットラジオの方の知り合いで・・・」

K「K(本名)です。どうぞよろしくー」

 あ、なるほど。じゃっくさんはインターネットラジオのDJもしてるんでしたっけ。そちらの知り合いですか。本名を名乗ったKさんに対しては、私も本名で自己紹介。

nide「○○(本名)です。こちらこそよろしくです。いやー、多分そうじゃないかなとは思うてたんですけど、なかなか声かけられませんでした」

じゃ「いや、すいません、ちょっと他の用に行ってて来るのが遅れてしまって・・・。あ、とりあえず行きましょうか?」

 簡単に挨拶を済ませた後、自分達は談笑をしながらさっそく会場に向かう事にした。ゆりかもめからの連絡通路を通り、あの独特の逆三角形の建物(「会議棟」というらしい)の前の大きな広場に出る。ここでも大勢の人々が行き交っていた。
 見ると中に入っていく人だけでなく、自分の乗ってきたゆりかもめの方に歩いていく人やバス乗り場のほうに行く人も多い。

nide「何か、帰ってるみたいに見えるんですけど?」

じゃ「ああ、もう用事が済んだので帰ってるんですよ。開始直後から周って、目的のをGETしたんでしょう。勝負は朝ですから」

nide「もう終わりなんかい!

じゃ「ええ。・・・あ、nideさん、あれあれ」

 じゃっくさんとKさんがそう言って、広場の端のほうを指差す。そこからは、丁度メインの会場になっている「東ホール」と呼ばれる建物を望む事が出来るらしい。自分達はそれを見てみることにした。

nide「うわっ!!何じゃこりゃあーーー!!!

じゃ「こんな感じです(笑)」

 ホールはその端にある大きな扉が開けられており、広場からでもその中を一部見ることが出来る。その見えたホール内には、これでもかという人の群れが(笑)。しかもよく見ると、ホールの外周りを周回するように並んでいる人々もいる。
 後で聞いたんだけど、人気のサークルの行列はああやって周るように並ぶ事になってるらしい。今日はまだ天気がいいからいいけど、雨とか降ってたら倒れる奴が出るぞ(笑)。

nide「・・・帰っていいですか(笑)?」

じゃ「まあまあ。今回は別に欲しい同人誌とかは無いんでしょ?全体を見て周る程度なら、別に並んだりする事は無いですよ。人は多いですけど(笑)」

 そんな事を言いながら、自分達は「エントランスホール」の入り口へと歩いていった。

 エントランスホールに入ると、ここにも大勢の人が。というか、もう人が多いのは分かってもらえたと思うので、基本的にこれからは省略する(笑)。表現的にも飽きたし。

じゃ「今日はまだ人が少なくて楽勝ですね」

nide「これで少ないんです!?

K「そうですね。今日は2日目で女性向けメインですし」

じゃ「明日は3日目だから大変だろうけど(笑)」

 事情を知らない人に説明すると、3日目には男性向け、つまりエロいのが出てます(笑)。
 エントランスホールの突き当たりは、テーブルや椅子がたくさん置かれた休憩所のようになっていて、人々が思い思いに休憩・・・いや、朝からの「戦い」で戦死(笑)してたり、戦利品を熱心に読んでいたりする人々などがいた。
 椅子は全部埋まっていて、地べたに直接座ったり壁や柱にもたれて寝てたりしてる人もいる。「死屍累々」という表現がぴったり来てそう(笑)。

じゃ「あ、明日の3日目はここに僕達のグループも集合という事になってますんで。何かあったらここまで戻って下さい」

nide「分かりましたー」

じゃ「それじゃあ、まずは東ホールから行きましょう」

 そうしてじゃっくさんとKさんの先導で、自分は東ホールへと向かう長い渡り廊下を歩いていった。
 そういえば、ふと周りを見ると、同じように歩いている人の中にド派手な服や装飾をつけた人が・・・、おい、何か多くないか!?よく聞く際どい感じのものは無いとしても、頭飾りとかワンポイントのような物をつけたりしてる人も多い。しかも、本人も周りも何の違和感も感じてすらいないようだ(笑)。

nide「なるほど、これが本場の『コスプレ』って奴か」 

じゃ「本場って(笑)。まあ自分達は当たり前なんですけどね(笑)。nideさんもその内慣れますよ」

nide「『慣れる』ものなのか(笑)」

 一般の街中ではまず見られない、某制服やら戦闘服やらの人々が普通に群衆にまぎれている風景。やっぱりここは、ある意味「異空間」なんだなあ、と私は再認識した(笑)。

nide「じゃっくさん達が『祭り』と形容してるのが分かるような気がする(笑)」

 人ごみの中、自分たち3人はお互いの姿を見失わないよう確認しながら、渡り廊下を歩いていく。
 さっきも言ったが一旦はぐれてしまうと、携帯などで連絡する事はまず不可能だ。
 一応、「はぐれたら1時間後にさきほどの休憩所に居る事」と決めておいたが、無駄なタイムロスはしたくないので、何とかじゃっくさん達を見失わないように付いていった。

 東ホールに入ると、2つに分けられてるホールの間を抜ける大きな2層構造の通路(名称「ガレリア」)があった。さっきの渡り廊下はその上層部に繋がっていて、人々はそこから下層部分にエスカレータで降りたりして、ホールへと入っていくのだ。
 自分達も人の流れに合わせて、通路を、そしてエスカレータを通っていく。周りは相変わらずの人で、話し声などで騒々しい。その中にはスタッフの人達の注意説明の声などもある。

スタ「場内では絶対に走らないでくださーい!大変危険でーす!」

スタ「途中で止まらないで下さーい!通路を塞がないでくださーい!」

スタ「エスカレータでは歩かないでくださーい!故障の原因になりまーす!!」

nide「故障するんかい(笑)!!」

 何でもあまりに多くの人が乗っているので、エスカレータ上で歩くとその加重で故障してしまうのだそうだ。恐るべし、コミケ(笑)。

 エスカレータで降りた後、自分達は丁度入り口から見て左側のホールに入ることにした。

 ホールの中に入ると、そこにはまたしても私を驚愕させる光景が(笑)。普段は3つに分かれているらしいホールの壁が全部ぶち抜かれていて、90m×270m(ビッグサイトHPより)という巨大な空間が出来ている。そしてそこに何十列にも並べられたテーブル。そして行き交うオタクたち(笑)。
 もうピークは過ぎているとはいえ、中の熱気はまだまだ冷めてるようには見えない。もしかして、一番向こうの方の景色は揺らいでるんじゃないの(笑)?
 とりあえず、テーブルの列の外側の広めの通路を通ってホール全体を一周する事に。

 周っていくと色々な面白いものが出てくる出てくる(笑)。

 相変わらずちょくちょく居るコスプレした人達。女性のしてる奴なんか思わず見入ってしまいそうになって、慌てて視線を反らしてしまうのもあった。まあ、逆の意味で目をそらす(或いは「正視に耐えない」)のもあったが(笑)。

 そういえば、さっきホールを外から見た時に見えたあの行列。その行列の人が目当てにしている、通称「壁」と呼ばれる人気サークル群のスペースも並んでいた。
 最初は分からなかったのだが、このスペースって、ホールの中から外の方に向いているのね。 要するに、ホール内の通路に並ばれると通路が塞がってしまうので、それをホールの外に追い出しているという事だ。うーん、雨降った時とかの客の状況を考慮してないのが何とも「らしい」というか・・・(笑)。まあそれでもこの人達は並ぶんだろうけどね(笑)。

 じゃっくさんによると、今日のこのホールは、主にゲーム関連のサークル中心との事。
 格闘・音楽ゲームの他、実はテーブルトークRPGも以前にやってた自分としては、興味惹かれる品も多かったけど、今回私は「ハレム道の伝道師」なので、基本的にエロ以外では反応しないのだ。

 ぐる〜っと30分以上かけてホールを1周して、じゃっくさんやKさんは何か心惹かれるものがあったらしくその誘惑を振り切って(笑)、自分達はホールを出た。

じゃ「一応、向こうのホールも見ます?」

nide「向こうはどんなのがメインでしたっけ?」

じゃ「あっちもRPGとかのゲーム関係に、あと男性アイドルってジャンルなんですけど、所謂『女性向け』と言う・・・」

nide「飛ばしましょう

K「即答ですか(笑)!

 偏見かもしれないけど、はっきり言っておこう。私にとって、「やおい」は価値が無い(笑)。行くだけ無駄だ(笑)。
 じゃっくさんに聞いてみると、「企業ブースなんてどうでしょう?」という事なので、そちらへ行く事にした。
 一旦さっきのエントランスホールへとコンコースを戻り、そのまま真っ直ぐエントランスホールを貫くような形でコンコースが伸びているので、それを通って企業ブースのある西ホールへと移動する。
 西ホールへ入り1階部分の、「アトリウム」というホールの中央にあるエントランス部分へと移動する。ここへはコンコースからだと、一度エスカレータに乗って下って到着という形になる。じゃっくさん、Kさんに続いてエスカレータに乗って降りていく途中、このエントランス全体の状況を見ることが出来た。
 西ホール1階はこのエントランスを中心にして、2つのL字型のホールが組み合わさって「コ」の字を描くような形で構成されている。エントランスの三方にホールへの入り口があって、ホールのどこに移動するのにも便利、という感じだ。

 それと、このアトリウムの真ん中にはホールの4階まで直通でいけるという巨大なエスカレータもあった。長〜いエスカレータは、また見事なまでに隙間無く人が並んで動いている。いや、それだけでなく、エスカレータの足元というのだろうか、上り口の周りに何と「エスカレータに乗る為の行列の人の並ぶ通路」が仕切りられていて、乗る人はその蛇行した通路を歩いている。朝にはここにもすごい行列が並んでいるんだろうけど、今はそれもなくて上に上がる人通る単なる通路になっているだけみたいだ。

 エントランスに下りると、2つのホールの中の状況も見えるようになった。ここにもたくさんのサークルが居て大勢の人がいるみたいだけど、企業ブースに行く予定なので特には寄らない事に。というか、よく見たらジャンルが「JUNE」ってあるやんか!!

nide「絶対行かんぞ!!

じゃ「そんな、断言しなくても・・・(笑)」

K「2日目は女性向けのジャンルが多いから、しょうがないでしょう。明日頑張ってください」

 ここからさっきのエスカレータで4階の企業ブースのあるホールへと行く。自分たちもさっき見てた人々に続いて、くねくねと通路を通りエスカレータで昇っていく。しかし、このエスカレータ、機械の下の部分がぽっかり空いてて中空になってるんで、何気に怖いんだけど・・・。いやだぞ、崩落してこんなオタクどもを道連れに逝くのは(笑)。

じゃ「ほう、あなたは自分が『ハレムオタク』ではないと言う?」

nide「うっ、そういう風に言われると、『違う』とは・・・・」

 そうやってやり込められている間にもエスカレータは進んで4階へと上がっていった。
 4階が近づくにつれて自分はある事に気付いた。何か、ここのフロアーは特に人口密度が高くなってないかな?それと、時折聞こえる喚声、というか獣の咆哮みたいなのが聞こえてるんだけど、気のせいなのか(笑)?

 そんな事を思いながら、自分達はエスカレータを上がり、丁度正面に位置する「西4ホール」の入り口から中に入る事となった。

nide「あの、入り口から見える分だけでも明らかに人が多いの分かるんだけど・・・。それと、時折聞こえる変な声は・・・?」

じゃ「勇気を持っていくのだ(笑)」

nide「何か、秘境に入る探検隊の気分だ・・・(笑)」

 充分な心構えをして(笑)、中に入った。と、いきなり人々の喧騒の中のホールでも響き渡る、甲高い女性の声がする。

女性「こんにちわー!!」

と、今度はそれに応じて、明らかに人でないようなモノ達(笑)の声(いや、雄たけびと言うべきか)が合唱で聞こえる。

モノ「○□×ーーーー!!!」

 仰天した私が見たのは、入り口を入ってすぐ右手だった。そこには、ホールの一角を使ってミニステージが設置されていて、観客席と思しきものもある。そして、多分アニメか何かに出ているだろう私の知らない(笑)女性声優さんのライブが行われていて、ファンらしい男性達が集まっていた。
 丁度声優さんの歌が始まった所らしい。喧騒で聞き取りづらいが音楽が始まった。続けて、彼女が歌いだす。

nide「ゲッ!!

 と、更に驚く事に、突然観客の男性達の一部が曲に合わせて踊り出したのだ。多分、その曲の振り付けか何からしいのだが、気持ち悪い事この上ない(笑)。中には、曲のある箇所で(多分、そういう振りなのだろうが)手を上げてジャンプする人までいる。なんか、「怪しい宗教儀式」と言っても通じそうな気がする(笑)。

nide(ちょっと立ち止まって)「じゃっくさん、じゃっくさん」

じゃ「何ですか?」

nide「訂正です。私は、少なくともコレと同じではないです・・・

じゃ「うーん・・・(しばし無言)・・・」

 とりあえず、ある意味私が一番「コミケ」らしいと思った(笑)その光景を通り過ぎた。そして、このホールのメインである、各企業のブースを一通り見て回る事にする。
 しかし、ここはさっきまでの同人のと違って、ゲームやアニメなんかで結構私も知っててお世話になっている(笑)企業のブースばかりだ。そのせいか、ここは一際人が多く、さっきのホールに比べて通路とかの幅も広いはずなのに行き交う人ごみを避けたり押したり(笑)しないと進めない。

売っている物を見てみると、各企業ブースごとに関係するゲームやアニメのキャラクターグッズなど、色々ある。でも、実は私はあんまりこういう「キャラグッズ」とかにはあまり興味がない方なのだ。

nide「でも、こうして盛況な感じだと、単に見に来ただけなのに欲しい物があるような気がするのは、気のせい?」

じゃ「それが『コミケの魔力』という物です(笑)」

 そんな事を話しつつ、途中ではぐれそうになったりしながら(笑)とりあえず、ぐるっとホール内を一回りした。まあ、企業ブースについてははぐれる心配はあっても自分の場所がよく分からない事態というのは起こりにくい。これが東ホールとかの一般サークルのとこだと、あまりの広さと分かりづらいブースの番号のせいで、自分が何ホールのどこにいるのか分かりなくなるという事があるかもしれない(笑)。

じゃ「では、次は外に行きましょか?」

じゃっくさんの案内で、次のスポットに行く事になった。入った入り口と反対の方向が屋外展示場に繋がっていて、そこに行くという訳だ。さっきから気になっていたのだが、あっちの方から特にみょ〜な格好をした人がやってきてたりしてるんだけど・・・(笑)。

K「まあ、あそこは『コスプレ広場』ですからね」

nide「おお!カタログに乗ってた、あーんな格好やそーんな格好をしたおネエちゃんとかが居るとこですね」

じゃ「あーんな・・・(笑)」

 実はコミケに行くと決めた時から、私は密かに「遠征の報告用に、コスプレの写真とかも撮れないかなあ」と思っていたのだ。会場の写真も既に何枚かは撮っていたけど、やっぱりコスプレの写真があると「コミケ行ってきた」って感じがグッと増すからなあ。ここは外すわけにはいかない。

 そんな事を思いながら、自分達はホール南側から外の広場へと移動した。

 外に出ると、さっそくコスプレイヤーがごったがえ・・・・と思ったら、それより先に見つけたのはまたしても行列だった(笑)。先頭に何やら看板を持った人がいて、その後ろにびっしりと続いている。まるでこれから行進でもするような感じで、「小さく前へ習え」位の間隔で並んでいるのだ。

nide「『小さい前へ習え』って、一体社会のどこで必要になるかと思ってたんだけど、こんな所で役に立っているとは!」

じゃ「そんなわけないでしょ(笑)!」

 看板を見ると、「3時から○○の限定体験版無料配布」と書いてある。企業の配布物など予め「○時と○時に配布」というのが決まってるらしく、もう大分前から先に配布を待つ人が多いので、ホールの中で溜まってしまわないようにこうして外で待っているらしいのだ。

 特に並んでまで欲しい物のない私らは、その横を通って・・・行こうとすると、さっそくめちゃめちゃ凝った衣装の女性が!

nide「すごいなあ・・・。あの服とかの飾りとか、髪型とか・・・」

 他にも某アニメキャラやら某ゲームキャラやらの格好の男性・女性がうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ・・・(笑)、とそこらじゅうにいる。女性などでは、「お前、寒うないんかい(笑)!?」とツッコミを入れたくなるような人もいるし。今日がまだそんなに冷えてなくてよかったかもしれない。また、逆にあまりの重装備で着ぐるみかと思う人も居・・・。

nide「・・・って、あのギンギラギン(言い回し古っ!)のすごいのって・・・黄金聖衣!?」

 うーむ、確か「武器は持ち込むな」となってた気はするが、鎧は禁止ではないしなあ・・・(笑)。とりあえず、さっそく一枚・・・と思ってデジカメを構えようとした時、その周りで写真を撮ってる人の胸元に奇妙なものを見つけて、じゃっくさんに質問した。

nide「じゃっくさん、あの人(写真撮ってる人)がつけてるのって何ですか?」

じゃ「ああ、あれは許可証みたいなもんです。写真撮っていいですよと言う」

nide「ええっ!?許可証なんているんです?」

 今まさに、と思ってた所にいきなりのストップがかかってしまう。でも考えてみると、世の中でも盗撮だ何だと問題になってるんだから、そういう危険を排除するためにも当然の事なのかも知れんし・・・。

K「当日の朝に申請できるんですけどね。この時間だともう無理でしょうねえ」

nide「ガーン(心に響く音)・・・」

 というわけで、今回色々写真を撮ったけどある意味メインに捉えていたコスプレ写真は、こういった事情により撮影禁止となってしまった(シクシクシク・・・)。

 この後、他にも色々なコスプレを見かけたりしてたけど、時間的にこの広場の混雑がピークになりそうだったので早めにホール内に戻る事になった。

 西ホールに戻って、もう少しブースを回ろうかなとウロウロしかけた時。さっきから時々何やら話をしていたKさんとじゃっくさんが、あるブースの前で止まって相談らしき話をしている。

じゃ「うーん、どうしようか・・・。・・・でもなあ・・・」

K「まあ、僕の方はいいですけど・・・、本当にいきます?」

nide「どうしたんです?」

じゃ「ええ、実はさっき気付いてどうしようかと思ってたんですが・・・、ここのブースで売ってる同人の『月姫』のフィギアが・・・」

 そう言ってじゃっくさんが指したブースには、カッコいいポーズのフィギアが展示されている。どうも限定品らしく、普通に売られていないオプションも付いてるらしい。

じゃ「どうしても欲しいんですけど、今日の分の予算を使い切っちゃってて・・・。これ買うと、電車で帰られなくなるので・・・」

K「まあ私の方は余裕があるので、どうしてもと言うなら貸してもいいです、と・・・」

nide「そ、そこまでして欲しいですか・・・?」

 恐るべしは人の物欲かも知れない(笑)。この後、しばらく迷っていたけど、結局じゃっくさんは購入してしまった。

じゃ「ああ、またやってしまった・・・」

nide「後悔する前になぜあきらめなかったんだろう・・・(笑)」

じゃ「それとこれとは別(笑)」

 それからちょっとブースを回りかけた頃。突然じゃっくさんが停まって懐から何かを取り出した。・・・携帯電話って、ここで繋がるの?

じゃ「着信ですね。携帯は無理でしょうけど、PHSとか入る事もあるんですよ」

 そう言って、誰かと連絡を取るじゃっくさん。しばらくして通話を終える。どうも、他の人との待ち合わせをするらしく、場所とかの打ち合わせもしていたみたい。

じゃ「すみません。別の知り合いと合流するんで、ちょっとの間だけ別れて行動したいんですけど・・・」

nide「じゃあここで適当に見て周ってるんで、後で再合流しますか?」

K「そうですね。じゃあ1時間くらいで、あそこの角のブースの隅辺りで集合とかで」

じゃ「はい、それじゃちょっと行ってきますんで」

 そう言って、一足先に離れるじゃっくさん。自分も、携帯でおおよその活動時間を確認しながら、Kさんとも別れて行動する事にした。

 しかし、実際「自由に行動」といっても、さっきも言ったように自分はあまりキャラクターグッズとかにはあまり興味がないのでちょっと困ってしまう。いや、もっと正直に言ってしまうと、

nide「最近のアニメとかって、全然見てないから(笑)」

 うーん、以前は多少なりとも見てたんだけどねえ。最近のはさっぱりわからないので、同人誌とかで見ても全然分からん(笑)。なんたって、ここらのブースにあるオリジナルのグッズとか見ても分からないんだからしょうがない。
 ゲームの方は結構分かるんだけど、だからといって「即買い!」というほど物欲を刺激するものもないしなあ・・・。
 そんな事を思いながら、人の間をすり抜けつつ歩いていく。途中、とあるブースから「○○いかがですかー?」という売り子の女性の声がかかった。そんなには興味がないので、ちょっと見るだけ・・・と思っていると、隣で購入してたオタ男性が売り子のコスプレをした女性に話しかけた。

オタ「すみません、一枚撮らせてもらっていいですか?」

女性「どうぞー★」

 そして女性のほうもポーズを取って、一枚撮影。その後、お互い挨拶をしてたりしてる。あれ?でも、売り子の人も写真撮った人も特に許可証とかなかったような・・・。売り子さんとかのサービス程度ならいいのかな?
 それなら自分も一枚くらいはいいかな?と思いながら、隣のブースに行った・・・瞬間、

nide「(うおうっ!!)」(心で叫んだ)

と思わず仰け反りそうになった(笑)。私の48の弱点の一つ(笑)、ゲーム「VIPER-GTS」を出してる「ソニア」のブースがあったのである。

じゃ「そんなに弱点があったのか(笑)!」

 じゃっくさん、あなたは早く友達探してきなさい(笑)。

 でも、実際私はこのシリーズに関してだけは本当に弱い。ゲームも同人も関連グッズも結構持ってたりする。実はこの遠征の直前に発売されていたOVAもしっかりレンタルして見てたりする(笑)。
 実は、私が一番最初にハレム・乱交物でみたゲームがこの「VIPER-GTS」だったのだ。それ以来傾倒するようになったので、いわば生まれたばかりの雛が刷り込みをされるが如く(笑)、これだけは欠かさず買うようになったのだ。

 ブースには他の所と同じく、テレカなどの各種グッズが販売されている。そして、コスプレをした売り子のお姉さんが3人ほど。で、それに群がって写真を撮ってる野郎共が(笑)。
 しかし、ファミレスの制服の女性はいいとして、隣の悪魔のコスプレの女性はかなり露出がすごいものがあるんじゃないだろうか(笑)?しかもその元ネタって、私がはまったゲームのキャラだし。

 もはや、私は魅了されたが如く、限定のテレカ3枚セットを購入してしまった(笑)。で購入後、しっかり一枚撮らせて貰っちゃったりしようとしたのだったが・・・。

nide「あ、あの・・・・」

オタ「一枚いいですくゎー!

 うう、周りの野郎共に声がかき消されてしまう・・・。それに、実際お願いしようとすると妙に恥ずかしさを感じてしまって声が出せない・・・。
 やっぱりその露出度からか、悪魔コスプレの女性は人気も高く何度も写真をお願いされてて、自分の入る隙がなかなか無い。と、声をかけられなかった自分を、隣のファミレス制服の女性が見つける。

女性「どうしましたー?」

nide「あの・・・一枚いいですか・・・?」

女性「え、これカメラなんですか?ちっちゃーい★」

 しまった、我が某世界最薄のデジカメは、そのあまりの小ささ&薄さにデジカメであるという事さえ気付いてもらえてなかったのか(笑)。でもこのお姉さんには、何とか写真を撮らせて欲しいという意思が伝わったみたい。きっちりポーズも取ってくれたので、無事一枚。

カシャッ!(実際にはピピッという電子音)

 というわけで、結局最初に思ってた悪魔コスプレのお姉さんを撮るという野望は達成できなかった(笑)。うう、小心者の私・・・。写真を撮らせてくれたお姉さん、どうもありがとうございました、でも御免なさい(笑)。
(しかも、後日写真をチェックしたら、かなり手ブレしてた(笑)。・・・しばらく凹んだ・・・)


それから少しして。じゃっくさん達との再合流の時間になって、約束してた企業ブースの隅の空間にて。

じゃ「あ、nideさーん、こっちですよー!・・・あれ、何か元気ないです?」

nide「いえ、大した事じゃないですんで・・・(さっきの事をちょっと引きずってる)」

じゃ「???・・・・、まあとにかく、こっちがKさんと同じく、ネットラジオ関係での知り合いの○○さん、××さん、△△さんです」

 そう言って、じゃっくさんが既に来ていた知り合いの人を紹介してくれた。何と言うかキャラの濃い〜・・・ゴホン、ゴホン・・・、いや、個性的な人達ばかりである(笑)。しかし、さすがに常連というだけあって、じゃっくさんも知り合いが多い。しかも、コミケで会う知り合いが多いっていうのはどうなんだろう(笑)。

K「あと、もう一人来るはずなんです。ちょっと待ってて下さいね」

 そう言われて、しばしじゃっくさん達の雑談を聞きながら待つ事に。じゃっくさん達は今日の戦果などについて、色々熱く話をしている。・・・うーん、分からない話題も多いなあ(笑)。
 とりあえず、わからないなりに適当に反応していると、

じゃ「適当だったのか(笑)!」

 うん(笑)。で、そうしてると、一人の男性がじゃっくさんグループに近づいて声をかけてくる。じゃっくさんも応えて、挨拶したりしている。どうも、さっきKさんが話していた残り一人の人らしい。じゃあ、これで全員揃ったという事かな?

じゃ「nideさん、お待たせしましたー。それじゃ行きましょうか?」

nide「はいはい、・・・って、移動するんですか?」

じゃ「ええ、エントランスホールに戻りますんで。ラジオ関係の知り合いが集まってるんです」

 って、まだ居るんかい(笑)。
 
 とにかく、じゃっくさん達一団に紛れて、自分もエントランスホールに戻る事にした。企業ブースを出て、今度はさっきの長いエスカレーターでなく別のエスカレーターで下りて、東ホールへの連絡通路に戻る。そこから最初のエントランスホールまで移動。

 ようやくエントランスホールに戻ると、最初にじゃっくさんに指示されていた場所(といっても、休憩所の隅のただの空間なんだけど)に、2、3人の男性がたむろって居る(笑)。多分、じゃっくさんの知り合いなんだろう、と思ったら、

じゃ「ちわーす!」

 ほら、やっぱり(笑)。挨拶を交わし、そしてまたしてもお互いの戦利品や今日の状況など、雑談をするじゃっくさん達。そしてそれをとりあえず聞いているような感じに見せかけている私。

じゃ「今度は見せかけてるのかー(笑)!」

 そんなに目くじら立てなくても、みんなももう疲れてるんだから気付きやしないって(笑)。
 そういえば、ふと写真を撮る時に時間を見たのだけど、既に午後4時近くになっていた。オレンジの西日が差し込んできたエントランスホールの休憩所では、じゃっくさん達と同じように大勢の人達が椅子に座ったり、地べたに座ったりしてくつろいでる。さすがに、最初昼に見た時に比べて寝てる人はいな・・・あ、まだ居た(笑)。

nide「もしかして、昼からずっと寝てるとか?」

じゃ「それって、何のために来たんだか・・・(笑)」

 丁度、自分らのたむろしているのは休憩所の端の方なので、そばの通路を通る人の流れがよく分かる。しばらく見てると、段々と場外に向かって行く人の流れがはっきりしてるのが見えてくる。本日の戦いは終了(笑)、そろそろ2日目は撤収って事なのかな。でも、こんなのが3日間続くっていうのは・・・、さすがに「日本最大」を名乗るだけの事はあるなあ。
 自分はくつろぎながら、何となく人の流れを見つめて時間を過ごす。2日目は企業ブースが午後5時までやっているので、ゾロゾロと西ホールへ向かう人の流れもまだ多く、絶える事無く続いている。

ゾロゾロ・・・

nide「ボーッ・・・」

ゾロゾロ・・・

nide「ボーッ・・・」

ゾロゾロ・・・

nide「・・・・・」

ゾロゾロ・・・

ゾロゾロ・・・

・・・それからしばらくして。

ゾロゾロ・・・

nide「・・・あの、じゃっくさん」

じゃ「はい?」

nide「さっきから1時間近く、全く人の流れが減らないんですけど・・・(笑)」

じゃ「(苦笑)しょうがないですよ、十万人以上の人間が入ってたんですから」

nide「・・・十万人・・・何か、今日一日で世界観が変わったような気がします・・・」

 何か、今まで自分は結構偏った趣味のダメ人間なんじゃないかなー、とある意味心配、またある意味自負していた(笑)面があったんだけど、何の、ここに来て色んな人を見ているうちに、安心したり「自分はまだまだやなあ」などと思ってしまったりしたのだ(笑)。まあ、そんな風な事を考えてた自分の横では、じゃっくさん達が明日の購入作戦について綿密な打ち合わせをしてたりするのだけど(笑)。

 などとやってる間に、いい加減辺りも暗くなってきた。時間は5時になろうかなという所。さすがに人の流れにも減ってきた・・・ような気がする(笑)。じゃっくさん達の話も一段落したみたいで、自分たちもようやく帰ることになった。

 じゃっくさん達と一緒にエントランスホールを出て、人の流れにあわせて歩いていく。・・・あれ?ゆりかもめに乗って行くんじゃないのかな?そのまま、幅の広い階段を下りていくみたいだ。

じゃ「あ、自分達はこっちから帰るんですけど・・・いいです?」

 わからないけど、とりあえず行ってみよう(笑)。でも、確かゆりかもめのチケット「往復」で買ったような気が・・・、ま、いいか(笑)。

 そのまま通りのような所を真っ直ぐ歩いていく。と、脇に見えた大きなホールみたいな建物の壁面に、「オーロラビジョン」みたいにTVの画面のようなものが投射されている。それには何か若い兄ちゃん2人が話してる画面が映っていた。それと、通りの途中の脇の方に即席のステージみたいなものも出来ていて、ここにもまた違う兄ちゃん2人が上がっている。その周りには大勢の人だかりが出来ていて、何やらステージの兄ちゃんの話に爆笑したりしていた。

nidw「え?何やってるんだろ・・?」

じゃ「あれですよ。『M−1』」

nide「ああ!これがそうなんや!?」

 そう、事前にちょっと情報を聞いていたのだが、今回のコミケと丁度同じ時期に「漫才のF−1グランプリ」ともいえるイベント、『M−1グランプリ』の生収録がここで行われていたのだ。
 なんぜ超人気の若手漫才師が一堂に集まっているだけあって、半端じゃない数のファンが集まってくる。それとコミケに集まってくる人間とが重なると、当日は交通マヒ・混雑による事故(将棋倒しなど)等の混乱が起こるのではないか、という情報をとあるHPで見つけた自分は、事前にチャットなどでじゃっくさんに「大丈夫ですかね?」と相談したりしていたのだ。

 でも実際には、今日一日参加してみて特に事件らしい事も起こらず、ちょっとほっとした感じである。まあ、コミケも歴史長いらしいし、今回の状況を考慮して気をつけていたのかもしれない。それにいくら人気のお笑いといっても、さすがに「日本一のオタクの祭典」とは比較にならんと言う事か(笑)。

 とりあえず、M−1などには興味のない(笑)自分達は、ちょっとそれを見た後そのまま歩いていった。そして、まっすぐの通りの突き当たりに「国際展示場駅」と書かれた建物に到着する。この駅は最近出来た路線の駅らしく、じゃっくさん達はこれを使ってきたのだそうだ。
 自分とかはここから新橋まで戻れるのかちょっと不安だったけど、じゃっくさんに尋ねてみて何か戻れそうらしいと聞いたので一安心した。
 じゃっくさん達について切符を買い、ホームへと移動する。途中、駅の壁を見ると、アニメのキャラクターが全面に大きく描かれたコミケの広告ポスターがあちこちに貼られていた。

nide「ここって『M−1』見に来た人も通るんですよね?にも関わらず、完全にコミケに占拠されてる感じが・・・」

じゃ「うーん・・・、これを見て、『こういう所なんだ』と思われるわけですな・・・。まあ、間違ってないけど(笑)」

 そんな事を話しながら、ホームにて電車を待つ。周りには、自分達と同じくコミケ帰りの人と多分「M−1」帰りの人らしき人がそれぞれのグループを作っていて、微妙な緊張感(笑)が漂っているような気がする。
 そして少しして電車が到着。じゃっくさん達とも途中まで同じルートと言う事で一緒に並んで席に座る。自分は何となく横に座ったKさんと雑談を交わしたりしてた。と、自分の訛りからKさんに出身地ばれちゃった(笑)。でも聞いてみるとKさんもその近所の出身らしい。なるほど、それで分かったんだ。

などやってる間に、いつの間にかじゃっくさん達ともお別れして(もちろん、明日も会うんだけど)、いつの間にか電車乗り換えして、いつの間にか駅から降りて歩いて、そして、いつの間にかホテルの部屋に戻って、いつの間にかコンビニに寄って買っていた晩ご飯を食べながらくつろいでいた(笑)。

??「省略しすぎだー!!(ミルコ・クロコップばりのハイキック)」

nide「ガフッ!!(吹っ飛ぶ)だ、誰だ!?・・・って、あなたは、タムタムさんに続く『仮想ツッコミ役』の、武道家にして小説家でもある、元○○(前HN)こと『クロック』さんじゃないですか!?」

クロ「その名前(前HN)を言うなー!」

 そういや、前HNってもう忘れちゃってるけどね(笑)。しかし、さすがにこの辺の記憶はもう曖昧なのよ。帰り道に特に事件とかあったわけじゃないから、勘弁して。

クロ「まあいいですけど・・・。しかし、まさか本当に(自分を)出すとは・・・」

 だって、「出しますよ」って宣言しちゃったもん。「漢」なら有言実行しないと(笑)。
 とりあえずクロックさんの説明はさておき(笑)、自分はホテルのベッドでくつろぎながら食事を済ませる。あ、そういえば、昼間買ったビデオ「性遊記」のチェックしないと。

クロ「でも・・・(部屋を見回して)、この部屋ってビデオの設備無いみたいですけど?」

 ところがどっこい(死語)、このホテルって別料金でビデオデッキの貸し出しもしているのだ。自分はフロントに行ってデッキを借り、部屋まで担いで戻って配線を行った。

クロ「そこまでしますか!?」

 だってせっかく大枚はたいたお宝、気になるのは当然でしょうが。自分はさっそく買ったテープを入れて再生してみる。

nide「おお!これはさすがに『名作』と評価されてるだけの事はあるなあ!(しばらく鑑賞している)・・・おっ、この後のシーンがHPでも紹介されていた一番の・・・。・・・・あれ?」

クロ「?・・・あ、一番のシーンにノイズはいってる・・・」

nide「がーん!!!

 というか、あの値段付けるのなら、1回問題がないかどうかぐらい確認しろ(笑)。せっかくのお宝に発覚した問題にまたしても凹む自分。まあ、ノイズといってもちょっとしたものだから鑑賞には問題ないといえばないんだけどさ・・・。

 納得のいかない状況を何とか押さえつつビデオの確認を終え、さらにしばらくTVを見ているとそろそろ午後10時を指そうかという頃になった。さて、そろそろチャットでLightSideさんやHALさんと明日の打ち合わせをしないと。
 ノートパソコンを出して準備をする。程なくしてパソコンを起動・ネット接続してチャットルームに入る。既に多少の常連も居て、自分が入った後にも他の常連も次々入室してくる。よしよし、、LightSideさんも居る居る。

nide「お、クロックさんも居る。う・い・っ・す・ー、と・・・」

クロ「それ、おかしくないです・・・?」

nide「いいの、あなたは仮想なんだから(笑)」

 LightSideさんとは打ち合わせして、12時半に新橋駅で落ち合う事に決まった。これで彼については問題ないと思われる。
 しかし、困った事にHALさんがこの日に限ってチャットに入ってこない。とりあえず、携帯メールで「どうしたのー?」と聞いてみると、しばらくしてHALさんから返信が。あらら、「まだ仕事中です」だって。もう晩の11時くらいだというのに、大変だなあ。

 この後、何とかHALさんとはチャットで確認が取れたものの、「もしかしたら明日は行けないかも」という事らしい。とりあえず、わかり次第状況を携帯やメールで知らせてもらう事にした。

 うむー、予想外の予定変更とかになりそうだなー。・・・それにしてもいよいよ明日は三日目。「成人向」が解禁され、ビッグサイトは戦場と化すだろう(笑)。一体どんな事になるのやら、そして明日初登場する人々はいったいどんな人なのか。
 自分は少しの不安とたくさんの期待をしながら、(今日は)目覚ましをセットしてベッドに横になって・・・。

nide「あ、その前にもう一回『性遊記』見てから・・・」

クロ「さっさと寝ろー!(幕ノ内一歩ばりのガゼルパンチ)」

nide「グハッ!クロックさん、いい、パンチだ・・・(バタッ)・・・」

・・・・・

 

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